昭和47年生まれなのでまとまりのない何かを書く

輪をかけてひどいのは一部のブコメで、「有史以来これほど文明が急カーブで変化した時代も無いだろうし、面白い時代に生まれたよね。」なんてのに一個でもスターがついていたことに驚愕。
んなわけないだろ?

http://anond.hatelabo.jp/20161224215725


ゲーム好きとしては1980年代も1990年代も面白かったので良かったよ! グラディウス沙羅曼蛇ストリートファイターIIバーチャレーシングリッジレーサーバトルガレッガなど全部リアルタイムで見れたんだよ? すげーじゃん。2000年以降のゲームにはついていけてないけどな! って感じでしょうか。
コンピュータ好きにとっても1980年代のパソコンは今から比べると単純で子供にもなんとなくわかるという素敵なものだったのです。1990年頃から2005年頃にかけてPC性能が劇的に向上したのを目の当たりにできたのもよかったです。


ただ日常生活でいうと、上水道が殆どの家に普及したのは戦後になってからだったらしいですし、例えば1960年の時点ではまだ全国で普通に蒸気機関車が走っていたということなのです。そもそも大阪環状線が成立した(環状になった)のが1961年ということなので、1960年の風景は今とは大きく違っていたのだろうと思われます。そのへん僕が物心ついたときには完全に大阪環状線は定着していて関西線も電化されていたわけです。ので1960年代を過ごした人たちにとってはそれからの変化はぬるい感じだったのではないかなあと思わざるを得ません。


電話についても、僕が知っているのはもう普通に相手の電話番号を知っていてダイヤルさえ回せば自動でつながるというものだったのですが、

  1965年 東京と全国道府県庁所在地相互間のダイヤル市外通話開始
  1979年 全国の電話自動化が100%完了
http://kogures.com/hitoshi/history/tushin-denwa/index.html

とあるとおり、1960年代にはまだ市外通話は自動的には繋がらず、交換手に相手先の電話番号を伝えて繋いでもらう必要があったということなのです。また、僕が子供の頃は信用みたいなものがなかったので、旅行に行くときの旅館の予約は「事前に連絡した上で前金を郵便振替か何かで送って始めて予約完了」みたいな今から考えると気が遠くなるような手続きが必要だったように覚えています(夏休みの旅行に向けて親が準備しているのを横で見たりしていた)。銀行のオンライン化が進んだのは1970年代前半、郵便局がオンライン化されたのは1978年で、それで何が変わったのか、当時僕は小さかったので正直実感わかないけど、それまでは強烈に不便だったんだろうなというのはなんとなく想像はつきます。



一方で僕らが小学生〜中学生を過ごした1980年代の変化はそれに比べれば緩やかだったと思います。電車はずっと電車だし(特に関西ではずっとJRは103系、地下鉄は30系60系だったし)、今の生活の当たり前がなかった時代のことはわかんないので、今の変化が全てだと思っちゃうところがあるんだろうと思います。


僕らが20代になってから、デジタル携帯電話が一人一台普及したのと、インターネット(というかWebですね)でいろんなことができるようになったのは大きな変化でしたが、それは1993年から2003年までの10年間で完全に世界が変わったような感じで、それ以後はそんなに大きな変化はないように感じてしまいます(ただ不思議なことに生活とか、休日の過ごし方とかははあまり変わってないんだよね)。携帯端末の進化についてはカラーTFT液晶・フラッシュメモリリチウムイオン電池という3つの大きなデバイスの実用化が奇跡のように重なったこともあって劇的だったと思います。以前に若い人と話してたときに「この10年のネットとか携帯端末の進化が凄い」みたいなことを力説されて困惑しました。個人的には「2003年にSL-C750を買ってから今まで速度と容量以外、何か進化した? 佐世保の小学生の事件も2004年だぜ?」って感じもあるので。


ただ、たとえば僕らが「1980年代のゲームの進化はすごかった」とかいくら思ってたとしても、それ以前の人たちにとっては「そもそもブラウン管に映像が表示出来た、ということに比べたら大したことないのでは?」とか「それまで放送を垂れ流していただけのテレビで、プレイヤの入力に反応して動くキャラが出てきたときのびっくりといったら」みたいな感じかもしれないです。1990年代に電子メールやBBSが一般化して「これは凄い」という話があっても「そんなこと言ってもそもそも1980年頃はコンピュータにかな漢字まじり文を入力する方法について悩んでたわけで、そりゃ文章入力できて編集できるってことのほうが凄いだろ」とか思っちゃうのかもしれません。現在進行系の物事について、何が大きな変化なのか、ということについては今はわかんないもので主観でしかないですし、将来から振り返ったときにも解釈によってどうとでも取れるもののような気がします。


元の話に戻ってゲーム史の方面では、84年〜86年のファミコンブーム、80年代後半〜90年代前半のJRPGについてとか、メガドライブPCエンジンX68000FM TOWNSあたりのハードウェアの評価、PS/PS2アーキテクチャについて、iPhone以前の携帯電話ゲーム、などは語る人によって全然内容が変わることと思います。だから変化がすごかったとか、いや大したことなかったとか、当時は全体的にすごく良かったとかいう抽象的な言い回しで共感を得るようなクソな文章書いてないで、具体的に当時のアレはXXの部分がスゴかったよなーみたいな濃い文章を書いて行くべきなんです。で、そうしたいと思うんだけどおっさんの昔話が長いのは嫌われるってのもあって躊躇しちゃうんだよね。