リングフィットアドベンチャーのソフトウェア特許群が巨大すぎて理解しきれないので調べた範囲で解説する

ソフトウェア特許といっていいのかどうかわからないが、ゲームの世界では割と「キャラの操作方法とかキャラの動きとか画像表現の新しいやつを実現します」みたいなやつで特許が出願されて、しかも認められてしまうことがある。前々回のエントリのスプラトゥーン3のイカノボリとかは「こんなんで特許取れるんか?」と思われるかもしれないが、個人的にはあれは割と取れちゃうんじゃないかなと思っていて、なぜかというとインクを塗った壁をインクに潜って登れるゲームなんて他に存在してないからだ。新規性は十分にあって、じゃあ進歩性は…「インクに潜った状態で壁に張り付いているときだけジャンプボタンを長押しできるなんて、俺たち以外思いつかないよね? 壁を登ってないときにはジャンプボタン押された瞬間にジャンプのアクションが開始されるんだからさ…」って言われたら…まあそうかなと思ってしまうじゃん。

 

 

だからリングフィットアドベンチャーのようにコントローラ自体が新規なものだったらUIやゲーム操作関係でめちゃくちゃたくさん特許を出願して登録まで持っていくチャンスだしそれは絶対やっていくというのが企業としてあるべき姿だと思う。いくつか見た感じだと下記のような感じでいっぱい登録されている。

 

  • 特許6681505 リングコンでメニューを選ぶときの操作(リングの向きで選択、押し込みで決定)の特許
  • 特許6670028 ふとももにつけたジョイコンのセンサに合わせてキャラクタが道中を走、リングコンを引っ張ってコインを吸い込んだり、リングコンを押して空気砲を発射し箱を壊したり、ジャンプできるような操作についての特許
  • 特許6770145 フィットネス動作を選んで敵にダメージを与える敵との戦闘シーンの一連の流れに関する特許
  • 特許6688423 リングコンを使ったミニゲームモグラたたき」の特許
  • 特許6688424    リングコンを使ったミニゲーム「ツイストバッティング」「クライミング」に関する特許
  • 特許6688425 これもミニゲームの「ろくろ回し」「バランスウォーク」についての特許のようだ

 

最初、ひとつひとつ明細書をチェックしていこうかと思ったのだが、非常に複雑で、慣れてない僕のような人間にとっては1件の明細書を理解するまでに1~2日かかり、しかもそれが正しいという自信が持てないという事態に陥ってしまったので、上記の最初の3件のさわりだけ紹介することにしたい。各特許たちの間には重複する記述も多く、それぞれの特許間の関連性も含めて見極めないと完全な理解には至らないし、それは片手間では困難だと思った。

 

前回までのエントリで検索とか特許公報の確認に使っていた特許庁のJ-PlatPatというシステムが前の木曜日の夕方から3連休明けの月曜の朝までメンテで使えなくなっていたため、残りの詳細はGoogle Patentで調べることにしてリンクもGoogle Patent側に張るようにしてみた。このため審査の経緯みたいなものはうまく調べられず、事実誤認があるかもしれない。ご容赦いただきたい。

 

特許6681505    情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、および、情報処理方法

 

patents.google.com

 

リングフィットアドベンチャーのメニュー選択の操作は、リングを動かして(リングの向きを変えて)カーソル移動・リングを内側に押し込むとで決定・引っ張りはキャンセル。

この操作は独特であり、当然のように特許が取られている。

請求項1~3は下記に引用するが、前半部分はほぼ同じなのだが、後半は請求項1~3で、それぞれ違っている。特に下線部の部分は最初の出願時にはなかったが審査請求にあたって補正した箇所のはずなので、本当はもっと広範なものを取りたい欲はあるんだけど

「さすがに物を変形させて決定操作ってだけだとダメだよな。なにか限定をつけないと」

となって、前半部分の「変形するコントローラをある方向に変形させると1つめの操作(決定)・逆方向だと2つめの操作(たとえばキャンセル)とするUI」に加えてそれぞれ、

  • 逆方向に変形させると違う操作になる。さらに、普通の決定ボタンもあるんだけど遠い場所にあるから変形でも操作できるってやつはどうだろう(→ 請求項1)
  • ジャイロセンサでメニューを選んで変形で決定操作、と限定する (→ 請求項2)
  • 円形のコントローラで、押し込みは決定、引っ張りはキャンセルってとこまで限定してみるか (→ 請求項3)

という構成で、基本リングコンは請求項3なんだけどもうちょっと広範囲に権利をとっておきたい、ってのが垣間見れる構成になっている。

 

【請求項1】
  第1センサを備えユーザに把持されるトレーニング器具と、当該トレーニング器具と一体または別体のコンピュータと、を備える情報処理システムであって、
  前記トレーニング器具は、外部から力が加わらない場合には定常状態となり、外部から力が加わると定常状態から変形するように構成され、
  前記第1センサは、前記トレーニング器具の変形に応じた出力を行うように構成され、
  前記コンピュータは、
  (1)前記第1センサの出力に基づく第1センサ情報を受信し、
  (2)前記ユーザによる指示を受け付けるメニューを提示し、
  (3)前記メニューが提示されているときに、受信した前記第1センサ情報が、前記トレーニング器具が第1方向に変形したときの出力を示す場合、前記メニューに対する第1指示に応じた処理を実行し、受信した第1センサ情報が、前記第1方向とは逆側の第2方向に前記トレーニング器具が変形したときの出力を示す場合、前記メニューに対する指示であって、前記第1指示とは異なる第2指示に応じた処理を実行する、
ように構成され
  前記トレーニング器具は、前記ユーザの手で把持される把持部分を2つ有し、
  前記トレーニング器具は、当該トレーニング器具を変形させる操作とは異なる操作を受け付けることが可能な操作部を備え、
  前記コンピュータは、
    前記操作部の出力に基づく操作情報を受信し、受信した操作情報が、前記操作部に対して第1操作が行われたときの出力を示す場合、前記メニューに対する前記第1指示に応じた処理を実行し、受信した操作情報が、当該第1操作とは異なる第2操作が前記操作部に対して行われたときの出力を示す場合、前記メニューに対する前記第2指示に応じた処理を実行し、
  前記操作部は、定常状態である前記トレーニング器具の2つの前記把持部分のそれぞれを前記ユーザが把持した状態において当該ユーザの手が届かないあるいは届き難い領域に設けられる、情報処理システム。


【請求項2】
  第1センサを備えユーザに把持されるトレーニング器具と、当該トレーニング器具と一体または別体のコンピュータと、を備える情報処理システムであって、
  前記トレーニング器具は、外部から力が加わらない場合には定常状態となり、外部から力が加わると定常状態から変形するように構成され、
  前記第1センサは、前記トレーニング器具の変形に応じた出力を行うように構成され、
  前記コンピュータは、
  (1)前記第1センサの出力に基づく第1センサ情報を受信し、
  (2)前記ユーザによる指示を受け付けるメニューを提示し、
  (3)前記メニューが提示されているときに、受信した前記第1センサ情報が、前記トレーニング器具が第1方向に変形したときの出力を示す場合、前記メニューに対する第1指示に応じた処理を実行し、受信した第1センサ情報が、前記第1方向とは逆側の第2方向に前記トレーニング器具が変形したときの出力を示す場合、前記メニューに対する指示であって、前記第1指示とは異なる第2指示に応じた処理を実行する、
ように構成され
  前記情報処理システムは、前記トレーニング器具の動きを検知する第2センサをさらに備え、
  前記メニューは、前記ユーザがそれぞれ選択することが可能な複数の項目を含み、
  前記コンピュータは、前記第2センサの出力に基づく第2センサ情報を受信し、受信した第2センサ情報に基づいて前記複数の項目から1つの項目を選択する処理を実行するように構成され、
  前記第1指示に応じて実行される処理は、前記複数の項目のうちで選択中の項目に対する処理であり、
  前記コンピュータは、前記トレーニング器具が第1方向に変形している期間に含まれる所定期間においては、前記第2センサの出力に基づく処理を実行しない、または、前記トレーニング器具が定常状態である場合に比べて当該処理の感度を低下させる、
ように構成される、情報処理システム。


【請求項3】
  第1センサおよび第2センサを備えユーザに把持されるトレーニング器具と、当該トレーニング器具と一体または別体のコンピュータと、を備える情報処理システムであって、
  前記トレーニング器具は、外部から力が加わらない場合には定常状態となり、外部から力が加わると定常状態から変形するように構成される円環状の環状部を備え
  前記第1センサは、前記トレーニング器具の変形に応じた出力を行うように構成され、
  前記第2センサは、前記トレーニング器具の動きを検知するように構成され、
  前記コンピュータは、
  (1)前記第1センサの出力に基づく第1センサ情報を受信し、
  (2)前記第2センサの出力に基づく第2センサ情報を受信し、
  (前記ユーザがそれぞれ選択することが可能な複数の項目を含み、前記ユーザによる指示を受け付けるメニューを提示し、
  (4)前記メニューが提示されているときに、受信した第2センサ情報に基づいて、前記複数の項目から1つの項目を選択する処理を実行し、
  ()前記メニューが提示されているときに、受信した前記第1センサ情報が、前記トレーニング器具のうちで前記ユーザの手で把持される2つの把持部分が近づく方向である第1方向に当該トレーニング器具が変形したときの出力を示す場合、前記複数の項目のうちで選択されている項目に関連付けられる処理を実行する旨の決定指示である第1指示に応じた処理を実行し、受信した第1センサ情報が、当該2つの前記把持部分が離れる方向である第2方向に当該レーニング器具が変形したときの出力を示す場合、前記メニューに対する第2指示であって、前記決定指示に応じて実行される処理の結果を元に戻す旨のキャンセル指示である第2指示に応じた処理を実行する、
ように構成される、情報処理システム。

 

特許6670028    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 

 

patents.google.com 

これはゲーム画面での特許になる。リングフィットアドベンチャーの道中、プレイヤーの膝に取り付けた左ジョイコンのセンサで膝の動きを取得し、それに従ってプレイヤーキャラに走る動作をさせて前に進ませると同時に、リングを押し込むことでリングの向きに空気砲を発射したり、リングを引っ張ることでリングの向きに配置されたコインを吸い込んだりすることができる。

 

任天堂リングフィットアドベンチャーの公式ページの紹介文

 

この特許はこれらについて記載されていて、排他的な実施権を主張するものだが、主眼になっているのは「リングを押し込んで空気砲」みたいなものではなく、「走りながらリングの向きを変えることができる」という部分になっている。請求項1は下記の通りとなっている。

第1装置、第2装置、および情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記第1装置は、
ユーザの下半身に装着される当該第1装置の動きを検知する第1センサと、
前記第1センサの出力を送信する第1送信部とを備え、
前記第2装置は、
ユーザの上半身に装着またはユーザの手に把持される当該第2装置の動きを検知する第2センサと、
前記第2センサの出力を送信する第2送信部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記第1センサおよび前記第2センサから送信される出力を受信する受信部と、
前記受信した前記第1センサの出力と前記第2センサの出力とが何れも所定条件を満たしている間、仮想空間内で仮想オブジェクトに第1の所定動作を継続させる制御部とを備え
前記仮想オブジェクトの第1の所定動作は、仮想空間内における当該仮想オブジェクトの移動であり、
前記制御部は、前記第1センサの出力と第2センサの出力とが何れも前記所定条件を満たして前記仮想オブジェクトの移動が継続している状態において、さらに当該第2センサの出力に基づいて、当該仮想オブジェクトに当該移動を継続させながら第2の所定動作をさせる、情報処理システム。

抽象的な書き方をされていて難しいが第1センサ=ふとももにつけたジョイコン。第2センサはリングコンにつけられたジョイコンのことだ。特許の詳細な説明をざっと読んだ感じでは空気砲やジャンプなどには言及されておらず、第1センサと第2センサの組み合わせでどのように走る判定をするかとか、走りながら向きを変えることができるようにしたとかそういう話が書かれているので、空気砲やジャンプなどについては別の特許があるのかなと思う。

ところで、この特許60770028の詳細な説明には、どちらかというと太もも部分に付けた左ジョイコンのセンサでどのように歩いたりジョギングしたりを判定するかについて長々と書かれている。

例えば、ユーザの左股の前部に締着されたベルト型拡張装置6に装着される左コントローラ3は、ユーザの足踏み操作に応じて、実空間における重力方向(鉛直方向)に垂直なユーザの左右水平方向を軸として起立状態(左コントローラ3の長軸方向が鉛直方向に向いた状態)と仰角状態(左コントローラ3の当該長軸方向が当該起立状態からユーザの前後水平方向へ近づいた状態)との間を揺動(図示M1方向の揺れであり、前後揺れと記載することがある)するように動かされる。一例として、ユーザが左足を床面につけて静止して立っている状態において…
  :

また、例えば、ユーザが両手で把持するリング型拡張装置5に装着される右コントローラ4には、ユーザの足踏み操作に応じて、実空間における重力方向の揺れ(図示M2方向の揺れであり、縦揺れと記載することがある)が主に…
  :
このようなベルト型拡張装置6に装着された左コントローラ3およびリング型拡張装置5に装着された右コントローラ4を用いて、ユーザが停止状態から動き出した(すなわち、足踏み操作を開始した)状態を検出する方法(動き出し検出処理)について説明する。
  :
次に、ユーザが「歩き」または「ジョギング」によって動き出したと判定された後において、移動が継続しているときに、ユーザが「歩き」で動いているのか、または「ジョギング」で動いているのかを判別する方法について説明する。一例として、後述する第1動き出し後動作判別条件、第2動き出し後動作判別条件、および第3動き出し後動作判別条件の全てを満たす場合、…
  :

これはリングフィットアドベンチャーの開発者が真に工夫を強いられたのはこの部分であるということで、この部分で特許をとれないかを考えたのだろうか。後にこの特許が分割され、走る動作を判定する部分だけに特化した、特開2021-16772が作られている。 

patents.google.com 

この請求項は下記のようなものだった。

【請求項1】

第1装置、第2装置、および情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記第1装置は、
ユーザの下半身に装着される当該第1装置の動きを検知する第1センサと、
前記第1センサの出力を送信する第1送信部とを備え、
前記第2装置は、
ユーザの上半身に装着またはユーザの手に把持される当該第2装置の動きを検知する第2センサと、
前記第2センサの出力を送信する第2送信部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記第1センサおよび前記第2センサから送信される出力を受信する受信部と、
前記受信した前記第1センサの出力と前記第2センサの出力とが何れも所定条件を満たしている間、仮想空間内で仮想オブジェクトに第1の所定動作を継続させる制御部とを備える、情報処理システム。

さすがにこれはシンプルで範囲が広すぎてヤバいだろうと思う。こちら側の特許はまだ登録されておらず審査請求プロセスの真っ最中のようだ。当然上記のような請求項では特許として認められなくて補正書が出されているようだがどういう査定があってどう対応したのかまでは読み切れてない。こちら側の特許が登録されたときにはどのような請求項になっているかをチェックする必要があると思う。

 

特許6770145    情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、および、情報処理方法 

 

patents.google.com

リングフィットアドベンチャーで道中をこなしていくと敵とエンカウントして戦闘シーンとなる。戦闘シーンでは自分がどのようなフィットネス運動をするかを選び、その運動をすることで敵にダメージを与えることができるのだが、同じ運動を連続して選ぶことができず、別の運動を何ターンかやる必要があるということになっている。
請求項1では、敵への攻撃にあたって使うフィットネス運動を何種類かのメニューのなかから選べること、そして一度使った運動がしばらく使えないことを特徴とするプログラムが特許請求の範囲とされている。

【請求項1】

情報処理装置のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、
プレイヤによるフィットネス動作に応じたセンサの出力に基づく動作データを取得する取得手段と、
パラメータが一定に達した場合に満たされる達成条件が設定されるゲームイベントを実行するゲームイベント実行手段として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲームイベント実行手段は、
プレイヤにフィットネス動作を行わせるフィットネスイベントであって、種類によって前記パラメータの変化のさせ方が異なる複数種類のフィットネスイベントのうちから少なくとも1種類のフィットネスイベントを指定する指定手段と、
前記ゲームイベント中において、指定された前記フィットネスイベントに対応するフィットネス動作を、終了条件が満たされるまで前記プレイヤに行わせる第1フィットネスイベントを実行する第1フィットネスイベント実行手段と、
前記第1フィットネスイベント中に取得された前記動作データおよび指定された前記フィットネスイベントの種類に基づいて変化した前記パラメータに基づいて、前記達成条件が満たされたか否かを判定する達成判定手段とを含み、
前記ゲームイベント実行手段は、前記指定手段による指定および前記第1フィットネスイベント実行手段による実行を、前記達成条件が満たされたと判定されるまで繰り返し、
前記指定手段は、所定の回数指定されたフィットネスイベントについて、再度指定可能となる条件を満たすまでの間、当該フィットネスイベントが指定されることを制限する、情報処理プログラム。

 

このうちの「一度選択した運動がしばらく使えない」限定は審査請求にあたって追加されたものだ。さすがにフィットネスの運動を選べるだけでは特許として認められないということなのだろうか。しかしじゃあそれが「一度使った攻撃方法を数ターンの間使えないこと」が追加されたからといって特許として認められるというのはどうなのだろうかという気がする。「プレイヤーが選んで使った攻撃方法と同じものをしばらく使えない」というゲームは過去からいくらでも存在するからだ。例えばPC-8801mk2SRというパソコン用に1986年に発売されたシルフィードというゲームでは、ステージ開始前に複数のメニューからそのステージで使用する武器を選択できるが、一度使った武器は次のステージでは使えなくなっている。

シルフィードの武器選択時の様子。赤が現在選択中の武器アイコンで、濃い青色の武器アイコンは前のステージで使っていたために選択できないことを示している

ところで、そもそもフィットネスの運動をやって敵を倒すということ自体を特許にできないものだろうか? 知財部門ならそれを当然考えるはずで、こちらにももれなく分割された特開2021-10739という特許が存在しているのだ。

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例によって出願時の請求項は下記のように非常に広い範囲をカバーするように記載されている。

【請求項1】

情報処理装置のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、
プレイヤによるフィットネス動作に応じたセンサの出力に基づく動作データを取得する取得手段と、
達成条件が設定されるゲームイベントを実行するゲームイベント実行手段として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲームイベント実行手段は、
プレイヤにフィットネス動作を行わせるフィットネスイベントであって、複数種類のフィットネスイベントのうちから少なくとも1種類のフィットネスイベントを指定する指定手段と、
前記ゲームイベント中において、指定された前記フィットネスイベントに対応するフィットネス動作を、終了条件が満たされるまで前記プレイヤに行わせる第1フィットネスイベントを実行する第1フィットネスイベント実行手段と、
前記第1フィットネスイベント中に取得された前記動作データに基づいて、前記達成条件が満たされたか否かを判定する達成判定手段とを含み、
前記ゲームイベント実行手段は、前記第1フィットネスイベントの指定および実行を、達成条件が満たされたと判定されるまで繰り返す、情報処理プログラム。

しかしこれはさすがにムリじゃないかなあと個人的には思う。現れてくる敵を倒すためにリアルな世界の常識では全然「それ攻撃じゃないじゃん」みたいな動作を行ったらなぜか敵がやられる、みたいなゲームやアニメはこの日本ではごくごく普通に昔から存在しているからだ。


そんなわけでとても全部を消化しきれてない状態でのエントリになってなんだか心苦しいが、リングフィットアドベンチャーのようなクラスのゲームになると、ゲーム内容もてんこ盛りなうえに、それぞれに対して特許が複雑に絡み合っているので全貌を把握することが非常に困難だということが個人的にも実感できた。冒頭に挙げたようにそれぞれのミニゲームにも特許があり、それらにも分割されていままだ審査請求中のものが存在するかもしれない。さらに気づかないような演出にも特許が取られている可能性もある。

これはたとえば前回のエントリで挙げた中だと特許6681504の要約には下記のような内容が書かれている。これが実際のゲームの中で使われているかどうかは僕にはよくわからなかった。

情報処理システムの一例は、力を加えられることで変形するリングコントローラを含む。リングコントローラに対する押し込み操作又は引っ張り操作が行われた場合、基本BGMに対して第1BGM又は第2BGMが重畳されて出力される。また、押し込み操作又は引っ張り操作が行われている場合において、リングコントローラの姿勢が変化された場合、フィルタ処理又はディレイ処理が行われる。また、押し込み操作又は引っ張り操作が検出された場合、そのときの姿勢に応じて楽器音が付加される。

 

今回の最初の特許6681505にあるような、複数の請求項でそれぞれ限定のつけかたを変えて特許として成立させつつできるだけ広い範囲の権利をおさえようとするやり方であるとか、特許6670028に見られるような、分割して特許ファミリーを構築していくやり方などは、やっぱり世間にインパクトを与える製品を作っている会社の知財として、きっちりやられているなと思わざるを得ないところがあった。そして真面目に見ていたら1件1日では到底ちゃんと読み切ることができなかった。というわけで非常に中途半端な感じではあるがリングフィットの特許を深堀していくのはもうこのへんで終わりにしたい… 請求項まで見たのが良くなかった。ここまで見るなら1エントリ1件しか書いちゃダメだったな。

リングフィットアドベンチャーの特許をちょっとだけ調べた

スプラの特許のエントリが人気だったので早々に次のネタを提供した方が良いのかなと思い、スマブラアイドルマスターの特許がないかを調べてみたけどスマブラがどんなゲームかよくわかっていないせいでよくわからず、アイマスはいろいろあったのだけどまだ自分のなかで咀嚼するのに少し時間がかかりそうな気がした。

検索しているとわかりやすいのがリングフィットアドベンチャーで、いっぱい出てきたので紹介…しようと思ったんだがちょっと全部をちゃんと見て紹介するのはすぐには不可能で、パラパラっと見て面白そうだと思った奴だけにしようと思ったんだがそれでも説明しきれないので2つだけ紹介する。残りで興味深いものは後日気が向いたら紹介することにしたい。

 

リングフィットっぽい特許は雑な検索でも審査を経て登録されているものだけでも下記の14件が見つかる。日付は出願日であり、このうち特許6821073だけがリングフィットアドベンチャーの発売後になっているのだがこれは特許6688424の分割だからなのだ。

  1. 特許6821073    2020/04/03    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
  2. 特許6770145    2019/07/05    情報処理プログラム、情報処理システム、情報処理装置、および、情報処理方法
  3. 特許6768130    2019/08/30    情報処理システム、情報処理プログラム、および、情報処理方法
  4. 特許6731531    2019/08/30    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理方法、および、情報処理装置
  5. 特許6691258    2019/08/28    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
  6. 特許6688425    2019/08/30    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
  7. 特許6688424    2019/08/30    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
  8. 特許6688423    2019/08/20    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
  9. 特許6681505    2019/07/22    情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、および、情報処理方法
  10. 特許6681504    2019/07/16    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
  11. 特許6670030    2019/08/30    周辺装置、ゲームコントローラ、情報処理システム、および、情報処理方法
  12. 特許6670028    2019/07/18    情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
  13. 特許6666505    2019/06/20    入力装置
  14. 特許6666504    2019/06/20    装置、システム、ゲームシステム、および、装置セット

 

 

 

なにがすごいかというとこれらの特許、代表図面が全部

特許6670030の代表図面

だったり、

特許6666505の代表図面



だったりしている。リングフィットアドベンチャーに関連していることがわかりインパクトがある。が、具体的にどのような特許なのかこれからはわからない (特許の代表図面に意味がないことは非常によくあることなので、別にこれは困ったことになっているわけではない)。

 

比較的番号が若い2つを紹介する。

 


特許6666505 入力装置

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6666505/B5D1F82F1C7D80512A7AE310BA029BED94457FA9201768B480223CC843C5D1D3/15/ja

これはリングコンそのものの特許である。すごいのは請求項1である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
  第1端部および第2端部を有し、少なくとも一部が弾性変形可能な弾性部と、
  自身と前記弾性部とによって環が形成されるように当該弾性部の両端部を保持する台座部と、
  前記台座部に設けられ、ユーザの入力に応じて前記弾性部が変形したことによって当該台座部に生じた歪みを検出する歪みゲージとを備える、入力装置。

なんと下記3つを満たしている入力装置というだけでこの特許に引っかかってしまう。これは強そうだ。

(1) 弾性変形する

(2) 輪っかになっている

(3) 輪っかにするための両端部分をつないでいる台座部に歪みゲージが入っている

上記は僕が適当に描いた絵である。これだけの要素でもう引っかかってしまうのである。しかしちょっと特許に詳しい人ならこの請求項1に対して下記のようなことを思いつくのではないだろうか。

「台座が弾性部の両端を保持している、ということは弾性部1つで環状になっているということ。この請求項1の範囲に入るものはその構造に限定されている。つまり弾性部を左右に2つつくり、前後に台座を配置すればこの請求項1には引っかからないぞ!」

つまり、こういうやつを作ればいいのではないか、ということだ。

台座部が弾性部の両端を保持しているわけではない。2つの弾性部のそれぞれ片端を保持しているだけだからな!

 

しかし請求項を読み進めていくと最後にこういうのが出てくるのだ。

【請求項22】
  歪みゲージと、
  前記歪みゲージが取り付けられた台座部と、
  ユーザの一方の手で把持される第1弾性部と、
  前記第1弾性部とは別体であり、ユーザの他方の手で把持される第2弾性部とを備え、
  前記台座部は、
    第1部分と、当該第1部分に対向して設けられる第2部分とを有し、
    前記第1弾性部の一端および前記第2弾性部の一端が前記第1部分と前記第2部分との間にそれぞれ挟まれた状態で当該第1弾性部および当該第2弾性部を保持し、
  前記台座部は、一方側および他方側の端部にそれぞれ開口を有する筒状の形状であり、
  前記弾性部は、前記第1弾性部の前記端部が前記一方側の開口に挿入され、前記第2弾性部の前記端部が前記他方側の開口に挿入された状態で前記台座部に保持される、入力装置。

 

これは、さっき請求項1から逃れようとして考えたやつ、そのものではないか…

 

それどころかこんなやつもこの請求項22に引っかかってしまう。

まあそりゃそうだよな。でも逆にこういうのがすでに先行例として存在してればこの請求項はつぶせるので、僕がもし仕事で「どうしてもリングフィットみたいなやつを作れ」って言われたらそういう先行例がないかを血眼になって探すだろう。

 


特許6670030    周辺装置、ゲームコントローラ、情報処理システム、および、情報処理方法

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6670030/3716ADEE307ECCEB72D33AD116E485EEAF70D2C00ADF4E4285C0FC5932B75979/15/ja

個人的にリングフィットアドベンチャーについてよくわかってなかったなと思わされたのがこの特許だった。

 

【特許請求の範囲】
【請求項1】
  ゲーム装置を操作可能なゲームコントローラと通信可能であり、ユーザ入力を検知するセンサと、処理部と、送信部とを備える周辺装置であって、
  前記周辺装置は、前記ゲームコントローラとの通信が確立されているときに、第1モードと、第2モードとを含む複数のモードのうちいずれかで動作可能であり、
  前記第1モードにおいて、
    前記処理部は、前記センサが検知したユーザ入力に応じた周辺装置データに基づいて、前記ゲームコントローラに所定の動作を実行させるコマンドを生成し、
    前記送信部は当該コマンドを前記ゲームコントローラへ送信し、
  前記第2モードにおいて、
    前記送信部は、前記周辺装置データを前記ゲームコントローラへ送信する、周辺装置。

うん。ぜんぜんわからん。

ゲームコントローラと通信可能であり、ユーザ入力を検知するセンサと、処理部と、送信部とを備える周辺装置」… これはわかる。リングコンの、ジョイコンをはめる部分のことだ。先入観があると送信部って無線っぽく思っちゃうけど、これはリングコンの歪みゲージのデータを装着されたジョイコンに送る部分のことだ。

 

そしてそれが2つのモードで動作する。

 

「前記第1モードにおいて、
    前記処理部は、前記センサが検知したユーザ入力に応じた周辺装置データに基づいて、前記ゲームコントローラに所定の動作を実行させるコマンドを生成し、
    前記送信部は当該コマンドを前記ゲームコントローラへ送信し、

 前記第2モードにおいて、
    前記送信部は、前記周辺装置データを前記ゲームコントローラへ送信する」

これは意訳するとこうだ

「前記第1モードでは、リングコンは、歪みゲージによって得られたリングの押し込み・引っ張り度合いを元に、接続されたジョイコンになにかを動作させるコマンドを生成してジョイコンに送る。第2モードではリングコンは単に歪みゲージの情報をジョイコンに送るだけ」

 

 

しかしやっぱりよくわからない。だが請求項3を見るとちょっとこの謎が解ける。

【請求項3】
  前記第1モードにおいては、前記ゲームコントローラおよび/または前記周辺装置に対するユーザ入力に基づく処理が、前記ゲーム装置によることなく前記周辺装置および前記ゲームコントローラによって実行され、
  前記第2モードにおいては、前記周辺装置データに基づくデータが前記ゲームコントローラから前記ゲーム装置へ送信され、送信されてきたデータに基づく処理が当該ゲーム装置によって実行される、請求項1または請求項2に記載の周辺装置。

つまり、基本的にはジョイコンが合体されたリングコンは第2モードで動作しているということだ。リングコンの押し込まれ度合いはSwitch本体に送られて、Switch本体がゲームの処理をして、その結果が画面などに表示される。

しかし第1モードというのが存在する。これはどういうものかというとリングコンが押し込まれたら、勝手にジョイコンがそれに合わせて動作をするようなモードのことだ。具体的には振動である。リングコンが押し込まれたらジョイコンが振動してフィードバックを伝えるということが、Switch本体なしにできるモードを付ける、というのがこの特許なのだ。

 

「発明の詳細な説明」では、請求項で「前記第1モード」と書かれていたモードが「独立動作モード」という名前で説明されている。

[2-2.独立動作モードにおける処理の流れ]
          :
独立動作モードにおいては、本体動作モードとは異なり、リング型拡張装置5が親となり、右コントローラ4が子となって通信が行われる。すなわち、独立動作モードにおいては、リング型拡張装置5が右コントローラ4に対してデータの送信を要求し、この要求に応じて右コントローラ4がデータをリング型拡張装置5へ送信する流れで通信が行われる。

  具体的には、リング型拡張装置5は、送信要求信号を右コントローラ4へ送信する。

         :

  また、リング型拡張装置5は、上記送信タイミングにおいて、送信要求信号に加えて、必要に応じて、右コントローラ4に所定の動作を実行させるコマンドを右コントローラ4へ送信する。上記コマンドとは、例えば、右コントローラ4に対して音および振動を出力させる指示を示す出力コマンド、および/あるいは、通知用LED67を発光させる指示を示す発光コマンド等である。

 

これで具体的には何をするかというと… なんと、Switch本体が居ないときでもリングコンと右ジョイコンだけでフィットネスができるようになるというのだ。

 

【0124】
  以上のように、本実施形態においては、右コントローラ4およびリング型拡張装置5は、本体装置2が処理を実行する本体動作モードだけでなく、本体装置2とは独立して処理を実行する独立動作モードで動作することが可能である。したがって、ユーザは、本体装置2においてアプリケーションが実行されていない期間において、独立動作モードで動作する右コントローラ4およびリング型拡張装置5を用いることができる。例えば、ユーザは、本体装置2においてアプリケーションが実行されていない期間においても、リング型拡張装置5を用いたフィットネス動作を行うことができる。
【0125】
  また、本実施形態においては、独立動作モード中に行われたフィットネス動作の記録を示すデータが保存され、その後に本体装置2において、リング型拡張装置5を用いるアプリケーションが実行された場合に、本体装置2は当該データに基づいてゲーム処理を実行する。そのため、本実施形態においては、アプリケーションが実行されていない期間にユーザが行ったフィットネス動作の結果をアプリケーションに反映させることができる

 

つまりこれは「ながらモード」を実現するための仕組みだった。ながらモードとは下記の任天堂のページに紹介されている。

自分に合った、トレーニング | リングフィット アドベンチャー | Nintendo Switch | 任天堂

任天堂ページの「ながらモード」の説明

 

僕はこの特許を見るまでこんなモードがリングフィットアドベンチャーにあるということを知らなくて、さらに、この特許を読んでいる最中も、「ほほう。。こんな機能がこのハードにはあるのか。使われているんだろうか??」と思ったりしていた。

「リングフィット Switch スリープ」などのキーワードで調べてみると普通に「ながらモード」で使われていることがわかった。

 

この、Switchが寝ている間にリングが押し引きされた回数を覚えているのはリングコンなのか右コントローラなのかどっちなんだろうか? それはこの特許の明細書には記載がないようだった。

しかし上記で引用した【0125】の段落以降で、今回のリングコンと右ジョイコンの間の通信や処理の分担のやりかたは、右ジョイコンの限られたファームウェアのサイズや、将来の可能性に対してものすごく配慮された方式なんだということが延々と語られている。下記にすこし引用するがこれは読みごたえがあると思う。

【0128】
  ここで、右コントローラ4が複数種類の周辺装置に装着可能であり、独立動作モードにおいては、右コントローラ4および周辺装置は、当該周辺装置に応じて異なる動作を行う場合を考える。この場合、周辺装置毎に異なる処理(例えば、周辺装置に対するユーザ入力に応じて、周辺装置毎に異なる出力を右コントローラ4から行う処理)を右コントローラ4が実行するとすれば、それぞれの処理のためのプログラムおよびデータを右コントローラ4が記憶することになるので、右コントローラ4におけるデータ量が大きくなってしまい、右コントローラ4の記憶領域を圧迫するおそれがある。これに対して、本実施形態においては、独立動作モードにおける処理が周辺装置毎に異なる場合であっても、右コントローラ4における処理を共通化することができる。例えば、周辺装置に対するユーザ入力に応じて右コントローラ4に出力を行わせる処理については、出力を行わせるコマンドを周辺装置側で生成し、コマンドに従った動作を右コントローラ4に実行させることで、周辺装置の種類によらず、右コントローラ4における処理は共通になる。これによれば、右コントローラ4を汎用的に利用することができ、周辺装置に対応させやすくなる。また、独立動作モードにおける右コントローラ4の処理の汎用性を向上することによって、右コントローラ4における処理のために記憶されるデータの量を低減することができる。

 

今回紹介した2件はかなりハードウェア的な内容だったが、任天堂ナムコのようなゲーム会社が新しい入力/出力ハードウェアを手にしたときには、そのハードでできることをめちゃくちゃいっぱい試して、ゲームのUIにどう活用しているかについてたくさんの特許を出願してくる。冒頭で挙げた14件のうち11件の「情報処理プログラム」が発明の名称に入っている特許たちはきっとそういう類のものだ。次回はそれらのうち一部を紹介できればいいな…

スプラトゥーンの特許

スプラ3が良い出来だったし、これは特許出願できるアイデア満載じゃねえか!!って思ったので特許が出てないか調べてみた。基本的に新製品に関する特許は世の中に発表される前に出願する必要があるが、出願から1年間1年半は公開されない*1ので、スプラ3にかかわる特許のうち今公開されているものがすべてというわけではない。

 

検索してすぐに見つかるのは次の3件(+1件)だった。

 

特開2022-124257(P2022-124257A)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2022-124257/14784BEACFACFFFAA6A51AE10991780C7F6B85D5E496A86E565696C1F8FB2B16/11/ja

【公開日】令和4年8月25日(2022.8.25)
【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、
【出願番号】特願2021-21913(P2021-21913)
【出願日】令和3年2月15日(2021.2.15)

特開2022-124257の代表図面

これはわかりやすいイカノボリの特許だった。

要約文も下記のように明瞭だ。

ユーザキャラクタが壁面における第1状態の領域上にいる場合において、操作ボタンの入力が継続されている間、ユーザキャラクタに予備動作を行わせ、少なくとも操作ボタンの入力が終了した場合に、ユーザキャラクタを壁面上で第1状態の領域と他の領域との境界まで移動させる。ユーザキャラクタが境界に到達した場合、当該境界からユーザキャラクタをジャンプさせる。

出願日が2021年2月15日であることが注目だ。この3日後の2月18日にはニンテンドーダイレクトイカノボリやイカロールが公開されているのだ。

 

特開2022-124256(P2022-124256A)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2022-124256/30A0AA2DEFA43F51AD7AE944A720F04BF640181636DEB4B8421DF90759651F55/11/ja

【公開日】令和4年8月25日(2022.8.25)
【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法

前述のイカノボリの特許と連番になっているこの特許だが、わかりやすいイカロールの特許出願だった。同じく2021年2月15日出願。

【解決手段】ユーザキャラクタが潜伏状態において第1方向に移動中に、ジャンプボタンの入力と、ユーザキャラクタを第2方向に移動させることとなる方向操作入力とが行われた場合、速度条件と第1方向条件とが満たされる場合は、ユーザキャラクタを即座に第2方向に方向転換させるとともに、ジャンプさせる。速度条件は、ユーザキャラクタが高速で移動中のときに満たされる。第1方向条件は、第1方向と第2方向との差が大きいときに満たされる

 

特開2022-122576(P2022-122576A)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2022-122576/CAB499734DB1E5B40555C88EB31178029234B88CF971632977540DD2A62512B4/11/ja

【公開日】令和4年8月23日(2022.8.23)
【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法

 

これがとても面白いキャラメイクのときの特許で、僕はこの特許を見て初めてスプラ3のキャラメイクのときの演出について完璧に理解できた。

【課題】キャラクタを構成する複数のパーツをカスタマイズする際に、次にどのパーツを変更すればよいのかユーザが容易に理解可能な情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】複数のパーツのうち、少なくとも一部の複数のパーツを、それらの少なくとも一部がそれぞれ対応するアクセサリによって覆われた非露出パーツとした初期状態で、キャラクタを仮想空間に表示し、初期状態のキャラクタに対して、複数の非露出パーツの1つの非露出パーツに対応するアクセサリを移動させることによって当該1つの非露出パーツを露出させるシーンを再生する再生処理、および当該再生処理によって露出されるパーツをユーザに変更させる変更処理を、複数の非露出パーツに対して順次実行する。

キャラメイクのとき最初自キャラはサングラスとマスク着用でさらにフードをかぶっているが、マスクをはずして肌の色の選択をさせ、次にサングラスを外して目の色を選択させる。こんな風に新しく見えるようになった身体の部分について選ばせることでわかりやすくキャラメイクをさせるという内容だ。

実際のキャラメイク動画があった(下記)ので見たらたしかにそうなっていてすごい。

 

www.youtube.com

この特許の図面はちょっとファニーな感じだがわかりやすい。https://www.j-platpat.inpit.go.jp/gazette_work3/domestic/A/504122000/504122500/504122570/504122576/CAB499734DB1E5B40555C88EB31178029234B88CF971632977540DD2A62512B4/text/JPA%20504122576_i_000002.jpg

特開2021-102066(P2021-102066A)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2021-102066/FD7412466719BB4F7C6CFFC7202DB45C6D60503EA6A87B994F99016F512A0030/11/ja

【公開日】令和3年7月15日(2021.7.15)
【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理システム、および情報処理装置

こいつはマップ画面にキャラの位置を表すマーカーを表示するときの工夫についての特許だ。しかし何が狙いなのかを流し読みしてもピンと来ない。要約部分だけだと全然わからない。

【課題】仮想空間内における情報をより正確に把握可能なマップ画面を提供すること
【解決手段】所定のオブジェクトを含む第1の3次元仮想空間を第1の仮想カメラで撮像して第1の画像を生成する。また、当該第1の3次元仮想空間に対応する3次元モデルにより構成されるマップオブジェクトを生成し、所定のオブジェクトの位置を示す標識オブジェクトをマップオブジェクト上に配置する。そして、当該マップオブジェクトを第2の仮想カメラで撮像して第2の画像を生成する。このとき、マップオブジェクト上に配置された標識オブジェクトについて、第2の仮想カメラの視点から見てマップオブジェクトによって隠される部分と隠されない部分とが異なる表示態様となるようにして第2の画像を生成する。

 

代表図面を見ても全然わからぬ…

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/gazette_work3/domestic/A/503102000/503102000/503102060/503102066/FD7412466719BB4F7C6CFFC7202DB45C6D60503EA6A87B994F99016F512A0030/text/JPA%20503102066_i_000002.jpg

どうも下記の画像のようにマップ画面でキャラのマーカーを表示するとき、壁に隠れた部分については暗く表現することによって、大きな段差の境界付近にキャラが居たときに下側に居るのか上側にいるのかをわかりやすくするという効果があるようだ。

何気ないマップ画面にも工夫が凝らされており、そしてそれをちゃんと特許出願しているのはとても偉い。

ところでこの特許は特願2017-002093(特開2018-110659)の分割出願となっている。大元の特許はスプラ2のときに実装されたものに対する特許だったのだろうと思う。

 

 


 

さて、ここまでは最近公開された特許を紹介したが、スプラトゥーンにはもっと基本的な、インクで地形を塗って戦う、という根本的な特許が存在している。その特許が下記の4件で、それぞれベースの特許と、そこから分割出願となったナワバリバトル、ヒーローモード、通信対戦の特許になっている。恐ろしいことに全部が審査請求を経て特許として成立している。

つまりスプラトゥーンはあと15年程度の間、任天堂以外の会社が似たようなものを作って売ったり配ったりすることができないのだ。請求項は結構広くなっていて強い特許のような気がする。個別に解説しても冗長になるだろうから興味のある人はリンク先の特許庁のページを確認してほしい。

特許5980266

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-5980266/C73D85FE87AB930ED24E41CDD57AD7238E702A7CA78932E70C22B394D3D5EF28/15/ja

特許6283072

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6283072/AB48F574D4B9FB4B687EB86636EA6143B94FCCBDBB5FFB5305CDBA50F1A610FD/15/ja

特許6543361

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6543361/E195E0B938B002666428289F85CDE4120360AA502319125677BEB376CA9AEC32/15/ja

特許6561155

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6561155/96826C853F3AC7065A10D9FF5EB4F770EC0EA748989C51AB3C91B87D497A025D/15/ja

 

*1: (2022/9/22修正) id:gebecさんにブクマで指摘いただいた。2021年2月18日のニンテンドーダイレクトに向けていくつかの特許が出願されたから、これらの特許がいま公開されて僕らが確認できるようになっているのであって、まだ公開されていない2021年3月以降スプラ3発売までに出願された特許が他にも複数あることは容易に予想される

X68000 Z発表で考えるX68000のあり方

X68000 Zの写真を見たときに最初に思ったのは「造形が微妙だな」ってことだった。もともとX68000初代は全体としてそこまでデザインが最高にカッコいいってわけではなく微妙にダサい部分が沢山ある中でLEDの光りかたとか電源スイッチの感触とか、オートイジェクトフロントローディングの5インチFDDの緻密な雰囲気とか実際に動いているソフトウェアの未来感とかそういうところでカッコよさを感じるようなモノだったわけだけど、X68000 Zではベース部分の厚さが分厚くなってたりフロッピーのスロットが太くなったりするとそのへんの絶妙だったバランスがくずれてしまっているように見えるのだ。ベース部分についてはゲームショーに展示されたモックではPHONESのデカールは端子の下側、VOLUMEのデカールはつまみの上側にあって横一直線に揃っていないところはとてもよくなかったが、ZUIKIのページ( http://www.zuiki.co.jp/x68000z/ )にある画像ではちゃんと両方下側で端子の中心とボリュームつまみの高さが揃っていて安心した。

 

まあデザインはさておきいまX68000のミニチュアのカタチをしたX68kらしい意味のある商品って何だろうと思ったときに、特に何もできそうな気がしなくて(グラディウスとかSION2とかが動いたりしても、だから何だ?ってなってしまう)、だから今までそういうものが存在しなかったんだろうと思うしどういう企画なのかなってのはめちゃくちゃ気になる。

 

メガドラミニとかPCエンジンミニみたいなやつでX68kらしさを出すならソフトをユーザーが自由に作って追加できるHDMI出力のミニ据え置きハード、とかなんだろうか。意味があるのかな? 当時X68kでゲームを僕らが作っていたのはそれ以上に良いゲームを作れるハードウェアがあんまり存在しなかったからであって、いまゲーム機用のソフトをPCで作るんならそのままPC上で動くゲームを作ってしまいそう。

 

下記のインタビューによれば「歴史をもう一回」とか、「その当時の文化として皆さんがX68000でやられていた遊び、プログラミングやゲームなどがあると思うんですが、我々としてはそこは大事にしたい」とか書かれている。

【インタビュー】【TGS2022】瑞起「X68000 Z LIMITED EDITION」インタビュー - GAME Watch (impress.co.jp)

皆さんはゲームをやられてたんでしょうけれど、入口はどちらかというとワークステーションだったと思うので、ゲーム大前提と言うよりはワークステーションめいたプログラミングができたりとかいう思い出があったと思うので、そういうのを聞いてるとそっちを再現したいとかですね、我々としてはそういう思いを持ちますね。

 

とはいえX68000を当時どう使っていたかは本当に人によって千差万別だったしワープロ.xとかシャーペン.xをワクワクしながら使った人も居れば、ゲームばかりやってた人とかひたすら絵を描いていた人とか音楽作ってた人とかも居るだろうし、プログラミングにしてもゲームだったりサウンドだったりグラフィックだったりとやっぱりバラバラで、絵や音楽やワープロについて再現されたとしても、当時はこれがそれなりの性能のマシンだったから意味があったけど今となっては懐かしいとか歴史的価値以外のものはないような気がしていて微妙な気分になるような気がする。

 

昔のコンピュータってことは忘れてHDMI入力端子をつけてプログラマブルなキャプチャデバイスになるとか、ネットワークメディアプレイヤーになるとか、IRブラスターが標準装備で家電が制御できちゃうとか、それかもうRISC-Vの勉強用マシンとしてめっちゃ使えるやつにするとかそういう方向性だったらちょっと面白いかなとも思うけどそれはこの形である必要があるのかと言われると違うような気もするし難しいな。

 

 

個人的にはフロッピーの部分をSDカードスロットにするならCompact系の筐体のほうがあっていると思いました。でもCompactだけ出すとかあり得ないからしょうがないよね。絶対「X68kはやっぱりツインタワーじゃないと」って言われるからね…

ベネズエラでやってた、政府が量販店に家電を安く売れと強制したやつの話

ベネズエラで過去に食料価格を政府が統制して国民が安く食料を購入できるようにして大失敗した(ベネズエラで安く買って外国に横流しすることが横行したし、そもそも安くしか売れないので誰も食料を作らなくなって食料入手困難になった)というのは知っていたが、家電についても同じようなことをやっていたとは知らなかった。

 

Dakazo - Wikipedia

 

Dakazo refers to a set of actions taken by the Venezuelan government forcing consumer electronic retail stores, with Daka being the most prominent, to sell products at much lower prices on 8 November 2013, weeks before municipal elections.[1] The forced Daka price changes helped Venezuela's ruling party, PSUV, win in some of the municipal elections,[2] though the massive sale of goods caused further shortages in the months following the initiative.[1]

市議会選挙の数週間前の 2013年11月8日に、ベネズエラ政府は家電小売店(最大手はダカ)にめちゃくちゃ低い価格で製品を販売することを強制した。強制的な安売りは、ベネズエラの与党PSUVがいくつかの地方選挙で勝利するのに役立ったが、後の数ヶ月で商品の大量販売がさらなる不足を引き起こした

 

政府が補助金を出すわけでもなく損を押し付けて強制的に安売りをさせたのだったら、いったいどのような理由でそれが正当化されるのかまったくわからない。しかし補助金を出してものを安売りさせるのもやっぱり市場原理には反しており相当慎重に制度設計をする必要がある。少なくとも選挙で勝つためにやるのは論外としか思えん。

一過性の物事をやりすごすためにこういうことをする場合、それが成功することもあるかもしれない。でも長期的に続く値段の高騰はこのようなやりかたでは対処できないと思う。日本の1リッターあたり40円のガソリン補助金もやめるタイミングが失われてしまっているので長期化するとヤバいと思う。

オブジェクト指向がイケてないとか本質は何なのかとかの云々

そもそも1980年代から1990年代にかけてオブジェクト指向がやたら持ち上げられたのはどういう世の中の動きがあったからかを理解していないとダメで、当時はMacWindowsが出てきてGUIが急に流行り出したところで、マウス操作のGUIのプログラムを書くのちょー難しいってことが課題になりオブジェクト指向を使うことによりそれをめちゃくちゃいい感じに解決できるということが判明し、もうGUIを作るためにはオブジェクト指向プログラミングをやらざるを得なくなってしまったんだ。

 

だからまあいまのようにあまりにもDOMが当たり前になってもうオブジェクト指向とかを全く意識しないままそれらをみんなが使うようになってしまったときに、オブジェクト指向なんてダメだとか古いとか言われてもじゃあDOM使うのやめるのかというとそうではないだろうから、GUIにおいてオブジェクトという概念は今後も主流でありつづけるだろうし、そういう意味では全部をオブジェクト指向が有用かダメかみたいなのは分野によるんじゃねとしか言いようがない。

 

 

話は変わってじゃあオブジェクト指向の本質はなんなのかという話になるのだけど、GUIツールキットについて考えたときにはC++JavaではなくC言語を使ったGUIツールキットはどうなんだあれはオブジェクト指向じゃないんじゃないのかというのが疑問に浮かぶ。そんでその代表格であるGTKのサンプルコードはこんな感じで、これはオブジェクト指向なのかそうじゃないのかというと、いやこれはオブジェクト指向なんじゃね?と個人的には思ってしまう。

 

GTKプログラミング - Wikibooks

#include <gtk/gtk.h>
int main (int argc, char *argv[])
{
   gtk_init(&argc, &argv); // GTKの初期化

   /* ウィンドウ、GtkFixedなど各種ウィジェットを作成 */
   GtkWidget *window = gtk_window_new(GTK_WINDOW_TOPLEVEL);
   GtkWidget *fixed = gtk_fixed_new();   
   GtkWidget *label = gtk_label_new("Hello, world!");

   /* GtkFixedをウィンドウにパック */
   gtk_container_add(GTK_CONTAINER(window), fixed);

   /* GtkFixed内の(10,20)にラベルを配置 */
   gtk_fixed_put(GTK_FIXED(fixed), label, 10, 20);

   /*  表示することを設定 _all であることに注意 */
   gtk_widget_show_all(window); 

   /*  メインループ */
   gtk_main();
   return 0;
}

 

そしてここには継承も多態もメッセージパッシングもなく(もちろんこの裏のGTK内部にはそれらが用いられているのだとは思うが)、オブジェクトとそれに応じた関数群があって、関数を呼び出すためには引数に対象になるオブジェクトを指定しなければいけないというルールがあるだけである。

 

 

だからまあ僕はオブジェクト指向の本質が継承だとか多態だとかそういうのはどうでもいいなーって感じです。多態は便利だし継承は便利なときもあるけどダメなときもある。

Logicool K380

K380はロジクール(グローバルではLogitec)が販売している見た目がチープで財布に優しいBluetoothキーボードである。かねてから気になっていたのだが最近近所のブックオフに行ってみたら美品の白いK380に安い値段がついていたので購入してしまった。

 

K380は2015年発売のようで、当初はlogicoolロゴだったが2018年にlogiロゴに変更されている( ロジクール、一部製品のパッケージを変更、ロゴもブランドロゴ「Logi」に - BCN+R )。僕が購入したものはlogiロゴなので比較的新しいもののはずだ…と思って調べたらそもそもオフホワイトの色が追加されたのが2020年1月なのであまり経年劣化が感じられない(変色などがない)のはわりと当然なのかもしれないのだった。

 

良いところ

  • キーピッチが18mmで小さくキー全体も小さい
    横幅が280mmを切っているのは素晴らしいことだ。
  • デザインがかわいくて良い
    キートップが丸いのはイヤな人はイヤだと思う。
  • マルチペアリングが便利
    僕は残念なことにこれまでマルチペアリングのBTキーボードを1つも持っていなかった。複数のスマホとPCがこれ1台で済むなら何て便利なのだろうかと思わざるを得ない。
  • タイプ音がとても静か
    本当に特筆すべき点がこれだと思う。

微妙なところ

  • チープな割に重い
    なんだか見た目と比べてずっしりと重い。
  • 「使ってて嬉しい」と思うようなキータッチではない
    決して悪いキータッチではないが、期待してはいけない。見た目通り、と言う気もする。
  • Logicool Optionsというユーティリティでキーボードの設定を変更できるのだけど、この設定はキーボード側には記憶されない - つまりこのキーボードを使うあらゆるPCにこのユーティリティをインストールする必要がある。
    UbuntuでのファンクションキーについてはUbuntu側の設定で対応できるっぽい

 

 

上にも書いた通り、買ってみて初めてわかったことだがこのキーボード最大の特長はキーを押したときに発生する音が異常に小さく抑えられていることだった。キーを押したときの音がとても静かなので、指がキーに触れたときに鳴る「チャッ」っていう音や、指がキートップ上を滑る「シャッ」っていう音のほうが気になってきてしまうくらいだ。

 

キータッチは普通のパンタグラフタイプで、少し固めである。こんな見た目のキーなのに、押したはずなのに押せていない、などが発生する頻度は非常に低く、使っててイライラしないレベルには到達しておりさすがロジクールだと思ってしまう。Raspberry Pi 400のキーボードがこれだったらどれだけ良かったことだろうか…

 

とはいえ円形キートップの欠点はある。キーとキーの間に大きなスキマがあるように見えて、一番近いところではキートップの山型部分同士のスキマは2.5mmくらいしかない。これが最近一般的なチクレットキーボードなら3mm、レッツノートSZ/SVあたりのキーボードでは4mmあるところが、K380はスキマが小さいために指がスキマを認識しづらいと感じる。また、円形キートップのためにその下のパンタグラフの大きさが円に内接する四角形より少し小さめとなっており通常のキーボードよりも小さくなってしまっている。これがキーのぐらつきを増やす方向に働いている気がする。

 

Ubuntuで使うときのTipsは下記のURLたちが見つかった。グローバルに販売台数の多い機械は問題への対処法も見つかりやすくていいと思った。一方でこのキーボードを分解修理したぜとか、改造したりしたぜ、みたいなのはほとんど見かけないので、どうもこのキーボードは分解や改造をしづらいのかなと言う気がする。

ロジクールキーボードK380でファンクションキーを単発動作 - 芽萌丸

keyboard - Pairing LOGITECH K380 in Ubuntu 20.04 - Unix & Linux Stack Exchange

Cannot pair Logitech K380 bluetooth keyboard on Pi4 with 20.04 - #4 by banshee1971 - Raspberry Pi - Ubuntu MATE Community