資生堂の「皮脂をクリームに変えるパウダー」の特許を調べていました

ある夜、場末のSNSを見ていると「顔から出た皮脂をクリームに変えるパウダーが気になる」という書き込みがあった。

自分は化粧などしたことがないし全然わからないが、皮脂をクリームに? そんなことができるのだろうか?


調べてみたら確かにそのような商品が存在していた。

POINT 1 
日中の肌変化にあわせて
美しい仕上がりが持続


べたつく環境下では、余分な皮脂・汗を吸収してテカり
を防ぎさらに皮脂をクリームに変換して粉浮きを抑え、
乾燥する環境下では、乾きに応じて水分を放出し、肌の
乾燥を防ぎます。ふんわりと光をまとったような美しい
仕上がりが長時間持続するセンシングパウダーです。

プードルコンパクトエサンシエルn - フェイスパウダー - メイクアップ | クレ・ド・ポー ボーテ公式サイト


どういう技術なのか気になるのだが、
資生堂のような会社が、
こんなおもしろ技術を特許出願していないはずがない。

この製品の発売日が2024年3月21日なので、それ以前の3年間くらいに出願された特許を調べたところ、下記のやつが見つかった。

【公開番号】特開2023-26065(P2023-26065A)
【公開日】令和5年2月24日(2023.2.24)
【発明の名称】化粧料
【請求項の数】9
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-026065/11/ja
:
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
皮脂の過剰分泌によって、テカリやべたつきが生じてしまう。また、過剰に分泌された皮脂とメイクアップ化粧料の成分とが混じることで、経時での化粧崩れを引き起こしてしまう。これらを防止するために、酸化亜鉛等を配合して、皮脂を固化させて、テカリや皮脂崩れを抑制することが知られている。
:
酸化亜鉛は日焼け防止剤としても知られている。特許文献1では、酸化亜鉛等の無機粉体と、HLB9.5以下の特定の界面活性剤を組み合わせることで、酸化亜鉛を水相に安定的に配合させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献1】 特開2016-74660号公報
【発明の概要】
デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛は皮脂固化効果を有することが知られているが、これを水相に配合すると、凝集が生じることがわかってきた。
本発明者らは、驚くべきことに、デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛と、HLB10以上の炭化水素系非イオン界面活性剤とを組み合わせることにより、水相中に酸化亜鉛を分散させることにより、高い皮脂固化効果と良好なみずみずしさとを有する化粧料とすることができることを見いだした。

日焼け防止剤としての先行技術があることがわかる。
これは堺化学工業株式会社が出願しており、しかも割と最近である。
むしろこの先行技術のほうが凄いのではという気がしてくる。


しかしこの先行技術の特許はみなし取り下げとなっており審査請求されなかった。

実際のところ、この堺化学工業の先行特許は皮脂崩れを抑制する効果を狙ったものでは全くなく、日焼け防止剤として酸化亜鉛を使ったクリームを安定させることだけを狙っているようだった。


堺化学工業にとっては
これはあまり重要な技術ではないということだったのか、
その程度の日焼止め効果にはエンドユーザはあまり金を出してくれないと判断したのか、
なんにせよこの特許は文献が公開されただけで特許を取得するアクションを起されることはなかった。


資生堂は、皮脂固化効果を得るために使われる酸化亜鉛が、日焼け防止剤にも使われていることに着目し、似たようなアイデアがメイクの皮脂崩れを防ぐことに使えると考え、精製したクリームに皮脂の主成分であるオレイン酸を加える実験などを行って良好な化粧料を作るレシピを発明した。

そして特許を出願した上で「皮脂をクリームに変換して粉浮きを抑える」という、なんだかとても魅力的に感じる商品をちゃんと開発して発売した。そんなわけで、この資生堂の発明には相当な価値がありそうな感じがする。


資生堂の特許の経過情報を見ると下記のようになっており、つい最近特許として認められたことがわかる。

出願審査請求書 2024/05/15
拒絶理由通知書 2025/06/17
手続補正書・意見書 2025/08/01
特許査定 2025/11/21

補正後の請求項1は下記のようになっていた。アンダーライン部分が追加された箇所で、配合物のパーセントに制限がつけられている。補正によって請求の範囲は狭まってはいるが、このパウダーを丸パクリすることはできない程度には請求項の範囲は確保されているように思える。酸化亜鉛が20%を超えていればこの特許には引っかからないがそこまで酸化亜鉛が多くしないと引っかかってしまう(化粧品など、門外漢すぎてよくわからないが)。

  【請求項1】
(A)デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛
(B)HLB10以上の炭化水素系非イオン界面活性剤、および
(C)水
を含んでなる化粧料であって、
 (A)デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛が水相に分散されており、
 (A)デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛の配合量が、化粧料の総量に対して、1~20
質量%であり、かつ、
 (A)デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛と、(B)HLB10以上の炭化水素系非イオ
ン性界面活性剤と、の質量比が1:0.05~1:0.3である
、化粧料。

ちゃんと製品として成立するところまで技術開発をして、そしてちゃんと特許を取得しているのは知財がしっかりしていて好感が持てる。

Nintendo Bluetooth Keyboardの調子が悪かったが、電源を高速でON/OFFしたら直った話

2011年にポケモンタイピングDSというゲームが発売されて、その付属のキーボードが普通にPCでもBluetoothキーボードとしてつかえるぞってことで話題になったときに買ったものが家にある。ときどき使っていた。


最近Galaxy S25を買ってキーボードで操作してみたくなりこのNintendo Bluetooth Keyboardを接続してみたところ10秒ほどで切断されてしまう現象が発生し(そうなってしまうと再度電源をOFF/ONしないと復帰してくれない)、相性が悪いのかなあと思っていた。Logicool K380だと普通にS25に接続できて安定して使えているので(K380の安定感はすごい)。


しかしK380はPCのメインキーボードとして使っているのでS25と一緒に持ち運びにくい。そもそもなぜNintendo Wireless Keyboardは切断されてしまうのか。同じような症状で困っている人が居るかもしれないと検索したら下記のRedditのエントリが見つかった。

昨日、新しい電池に交換したんだけど、キーボードが10秒間操作しないと接続が切れちゃうんだよね。やったことといえば、電源をオンオフしただけ。それまでは、10分、20分、30分くらいは「スリープ」しなかったのに。今は10秒…
https://www.reddit.com/r/techsupport/comments/393ppg/im_using_my_nintendo_bluetooth_keyboard_as_my_pcs/?tl=ja

まさにこれだ。そして追記があった。

追記:とりあえず、キーボードの電源を10秒くらいの間で高速でオンオフしたら直った。

そんなことがある!?
でも、自分もやってみたら、直った。
やったことはキーボードの電源スイッチを高速でON/OFFすることを3秒くらいカチャカチャやっただけだが、直った。


これはすごい。何があって10秒で切断される挙動になっていたのかは謎だ。なにかがショートしてたりで強制的に電源遮断されてたのだろうか。

Galaxy S25買った

いろいろ悩んでたんだけど、10月末ごろに10%割引セールみたいなやつがあったので買ってしまった。
何と悩んでいたかというとPixel 9/9a。
たぶん9aがコンパクトだったら間違いなく9aにしていたと思う。


9と9aでなぜ悩んでいたかというと軽いケースの有無だった。9aは重いケースしかないので、どちらにも一番軽いケースを付けた状態で重量を比較すると数gしか変わらなくなるのだった。
Galaxy S25はPixel9, 9aと比べて高価だったが最も軽くコンパクトで性能も高くて良く出来た端末に見えた。


で、買ってみたS25の感想、

  • コンパクトさは良い。でもiPhone 12miniと比べると重いんだよな。
  • カメラに期待していたんだけどいまのところ静止画を撮ってみた感触では12miniやPixel4aのほうが綺麗に見える写真が撮れてしまうので、微妙にがっかりしている。でもこれは慣れてきたら変わるのかもしれない。個体差でカメラがいまいちな端末に当たってしまっているとかなら悲しい。
  • AIはまだよくわかってない。画像編集で邪魔なものを消すっていう機能はちょっと試したところあまり使いものにならない感じだった。
  • バッテリの消費や充電(急速充電するかとか80%で止めるかとか)、ハードウェアキーボードなどを細かく設定(たとえば日本語配列のBTキーボードでもUS配列として使えるように設定でいるとか、CapsをCtrlにできるとか、Ctrl+SpaceでのIME切換をオフにすることができるとか)できたりするのはとても良かった。
  • それ以外のところ、最初はとまどっていたのだけど慣れてくると悪くない感じ。さすが2010年に初代GalaxySを発売してから15年間作り続けているだけはある。


最初は違和感があったけどだんだん慣れてきて良く感じるようになってきた。カメラとかバッテリが信用できるようになってきたらiPhoneを持ち歩くのをやめてこちらに一本化してもいいかもしれないなと思う程度には良い。カメラとか、その他Pixelが得意そうな機能については「やはり無難にPixelにしとけばよかったか…」と思うこともないが、Pixelを買ってたら買ってたで、こんどは「S25にしとけばもっと良かったかもしれない」と思っただろうから、これはどっちを買っても後悔は必ずあるパターンのやつなのだ。

任天堂がボクセルを使ったアクションゲームの特許を大量に出願していました

以前、ゼルダToTKの特許が1度に31件も出願されていたというエントリを書いた。
ゼルダTotKで「普通」の挙動を実現するための特許がいろいろ出願されている件 - naoya2kの日記

最近忙しくて任天堂の特許ウォッチをできてなかったんだけど、最近下記のドンキーコングバナンザについての開発者インタビューの記事を見てボクセル技術が気になった。
www.nintendo.com
遅まきながら昨日調べてみたところ、任天堂の特許が8月1日に大量に公開されていた。なんと1日で43件も公開されており、そのうち41件にボクセルという単語が含まれていて、ドンキーコングバナンザに関する特許のようであった。
それにしても41件は多すぎるだろ。いいかげんにしてほしい。ざざっと眺めてみるにしても、1件を3分で確認したとして2時間かかってしまう計算になる。実際それくらいかかったんだけど、だから本当に斜め読みしかできていない。

43件の特許、このうち41件がバナンザ関連


いくつか紹介していきたい (それにしてもバナンザをボナンザと書いてしまわないか心配である)。

特開2025-113122 (2024/06/27出願)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2025-113122/11/ja
バナンザはボクセルを使っているという話である。これまでの世間でいちばんメジャーなボクセルといえばマインクラフト。
マインクラフトのボクセルに入っている情報はブロックの種類という一種類の情報だった(たぶんその他にも耐久力みたいなのはありそう)。バナンザは違う。ボクセル毎に複数のマテリアルIDとその比率、そして密度という情報が格納されていて、それを用いて、
・ゲームプレイ時にはボクセルから表示用ポリゴンのメッシュと接触判定用ポリゴンのメッシュを生成する
・その判定用のメッシュを用いてキャラと地形との接触判定が行われる
とのことだ。ボクセルで接触判定をしていないところがポイントだ。

プレイヤーキャラとボクセルが元になった地形などとの接触が判定されたとき、そのメッシュの元になったボクセルのマテリアルIDに応じた処理が行われる。たとえばそのマテリアルIDが溶岩だったらプレイヤーのHPが減る、などだ。

ところでバナンザでは地形だけがボクセルなのではなく、敵キャラなどのオブジェクトもボクセルでの内部表現がされていることがあるようだ。少なくとも持てる岩とか氷塊みたいなものはボクセルになっているようで、でも複雑なポリゴン形状を持つ敵キャラはさすがにボクセルからメッシュを生成しているわけではないだろう。そのあたりどう使いわけているのかの詳細も書かれているかもしれないがまだ全文を読めてないのでわからない(ごめん)。


代表図面は下図のようになっていてボクセルが変更された分だけメッシュを更新するようになっている。

特開2025-113122の図31

ボクセルの処理の説明がいろいろされているが、たとえばSVO(Sparse Voxel Octree)を使って簡略化されていて、その簡略化後の頂点に基づいてメッシュが生成されるという記述があったりする。

図17
図19


このすぐ上に公開されていた特開2025-113123は、この接触判定に関する部分がちょっと違っている。でもやってること同じなような…
接触判定用のメッシュを作る際に、元になるボクセルから、メッシュのマテリアルIDの情報を生成してメッシュのデータに持たせておく
接触が判定されたときには、特開2025-113122では元のボクセルのマテリアルIDを使っていたが、その代わりに生成されたメッシュのマテリアルIDを使う

特開2025-113149 (2024/10/10出願)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2025-113149/11/ja
「ライトに当たると性質が変わる敵」を実現するというだけの内容。夜に殴っても倒せない敵が出てくるんだけど光が当たっている場所に誘導すると形や材質が変わった感じになって殴れるようになるという。

暗所では倒せない敵が、明るい場所に移動するとマテリアルが変化して倒せる

いやそんなの2Dでも3Dでもこれまでいっぱいあったじゃん、と思うかもしれないが、このあたりの特許の請求項はこうなっているのだ。

【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに、
仮想空間内の複数のボクセル空間毎に定義された複数のボクセルデータであって、ボクセル空間に含まれる複数のボクセルそれぞれについて、当該ボクセルが定義する空間が仮想的に中身に占められている度合いを示す密度と、当該中身の種類を示すマテリアルとが少なくとも設定されたボクセルデータを、ゲーム処理に基づいて更新させ、
      :(中略)
少なくともいずれかの前記ボクセル空間に対して前記仮想空間内に設定された第1の判定形状が、前記ゲーム処理に基づいた第1の条件を満たす範囲に位置するか否かの第1の判定に基づいて、当該第1の条件を満たすと判定された前記ボクセル空間の前記ボクセルデータに含まれるマテリアルのうち、第1のマテリアルを第2のマテリアルに更新させる、ゲームプログラム。

つまり、上で紹介した特開2025-113123で説明されているような、「ボクセル自体に密度とマテリアルが設定されている」という条件の下で、光源に当たっているかどうかでマテリアルIDを切り替えるということが特許技術だという主張。単なる組み合わせじゃんという反論はできないこともないが、それでも、「複数のボクセルから成る敵のうち、光が当たっている(or 影に入っている)ボクセルの部分のみマテリアルが変化し、それに従ってポリゴンメッシュが生成されて接触時の効果が場所によって変わるんだ」みたいな説明をされるし、
「特開2025-113123で書かれているようにボクセルは複数のマテリアルIDを持っており、そのうちの一部だけが光に当たっているかどうかで変化するんで、これまでになかった効果を実現できているんだ」という主張もされていそう。


これと似たようなテイストで、「これまでの2Dゲームやポリゴンのゲームで当たり前に実現されてきたことをボクセルで実現しただけ」みたいに見える特許がたくさん出願されている。下記に代表例を紹介する。もちろんボクセルベースになることで多少の工夫が必要だったかもしれないし、その部分は特許に値するのかもしれないけど。このあたりの審査がどのような経過を辿っていくのかはちょっと気いになるところ。

特開2025-113185 (2024/11/26出願)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2025-113185/11/ja
物や声を投げて地形を破壊するとか、逆に岩が増えたりするとか。


 ショットでトーチカが破壊されるのは、1978年のスペースインベーダの頃から当たり前のように存在していたんですがそれはどうなんですか? 今年40周年を迎えるシューティングゲームでもショットで壁を壊して進んでいく要素があり、1年後に出たその続編には同じようにして壊した細胞壁が時間経過で復活するような要素も入ってたんだけど、なんてどうしても思ってしまう。この特許はどうなんだ。

声のオブジェクトを飛ばして地形を壊している図27と図28

 ボクセルであることに加えて、2人プレイでの操作などが詳細に記載されているので、そのあたりの細かいところには新規性があると思われ、今後分割でそれなりの特徴を持った特許に分かれていくのだろうと思われる。

特開2025-113173 (2024/12/13出願)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2025-113173/11/ja
誤って落下したあと復帰アイテムが使われて戻ってきたときの復帰位置。これまで自分が移動してきた履歴のうち、地面があるところを選ぶというもの。
メルヘンメイズの風船だよね…もちろんメルヘンメイズはボクセルでもないし、たぶん落ちてしまってから履歴から地面を探しているわけじゃなく、最後に地面に接地していたときの座標を覚えているだけだと思うので、仕組みは全然違うのだけど。

侵入禁止エリアに落ちてしまったあと風船で復活する様子を示している図28
特開2025-113164 (2024/11/20出願)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2025-113164/11/ja

ボクセルの地面を破壊してできた岩や氷塊などのオブジェクト(こちらもボクセル)に乗れたり、移動時に便利に使ったりできるというもの
特開2025-113123で説明していたようにバナンザのボクセルデータには複数のマテリアルが設定されている。地形を破壊して持ち運びとか投擲可能なオブジェクトが生成されるとき、そのオブジェクト用のボクセルデータが作られるわけだが、そのボクセルにはその地形のマテリアルを元にしたマテリアルが設定される、というもの。

いろいろなマテリアルに応じたオブジェクトの効果が説明されており、これも今後分割されていく未来が予想できるような内容になっている。

持つだけで飛べるとか、岩でロープを渡るとか、氷の上に乗るとか、光る岩などが説明されている
氷を溶岩に浮べて進めると黒曜石ができるんだという説明

結局のところこれらの特許群はどうなの?

ほとんどの特許の請求項に

仮想空間内に定義されたボクセルデータであって、
 複数のボクセルそれぞれについて、
  当該ボクセルが定義する空間が仮想的に中身に占められている度合いを示す密度と、当該中身の種類を示すマテリアルとが少なくとも設定された
 第1のボクセルデータ
に基づいて、
当該第1のボクセルデータに対応する第1のボクセルオブジェクトのメッシュであって、
 当該メッシュの頂点座標が少なくとも前記密度に基づいて決定され、
 当該メッシュのマテリアルが少なくとも前記マテリアルに基づいて決定される
 第1のメッシュを生成および更新させ、

みたいな枕詞がついているので、このようなボクセルを使ったゲームを作らなければ直ちにはこの特許群に抵触することはなく、丸パクリをすることがなければ現時点では危険はないだろうと思われる。ただし一番最後に挙げた特開2025-113164みたいなやつの場合、「ゲームに出てくるいろいろな要素をとにかく本文で説明するぞ」という意識で出願がされている。これは後に、この本文の一部がそのゲーム内でのオブジェクトの挙動の要素だけに着目した特許として分割出願されてきたときには、請求項から上記のボクセルに関する限定が取り払われたものになる可能性を秘めている。任天堂はきっとそういう攻撃ができるようにこれらの特許を出願している。露骨にパクリに見えるようなゲームを作らないように、他にオリジナル要素があるゲームを作っていく必要があると思う。


今回この43個の特許をとりあえず自分の目で眺めたわけだけど、きっと昨今の風潮だとAIに読み込ませて要約するといいんだって話になってると思う。それはそうなのかもしれないけどこのボリュームを実感するという体験は自分の目で確認しなければ得られないんじゃないかとも思う。そもそもこの特許群を見ているのは自分にとっては仕事でもなんでもなく道楽なわけだし。

iPhone17シリーズのデザイン

新しく発売されたiPhoneを見に電器屋さんとキャリアショップ合計4箇所に行ったんだけど、iPhone Airはスカイブルーだけ、17 Proは置いていなくてオレンジのMaxだけが置かれていて、いまいちいろいろ見比べることができなった。


iPhone Airは、自分的にはデザインが好きになれないのでダメそう。展示されているスカイブルーは、周囲のツヤツヤしたチタンフレームと白めの背面パネルとの関係がミョーに安っぽく感じてしまう。ここ10年くらいのAppleってあんまり筐体をテカテカにしてこない感じだったんだけどここに来て変わってきたというか、iPhone3GSくらいのダサい感じに戻ってきたのかもしれない。あの頃と違って金属部分がボディ色に合わせた色調になっているのでゴールドは幾分かマシな気がするし、ブラックは格好いいかもしれない。スカイブルーとホワイトはたぶん良くない。
USB-C端子の中心がズレているというのが話題になっていたりするけど、そもそもiPhone XRとか11ではLightning端子のくせにズレてたわけだし、Galaxy S25 Edgeもズレてるしあんまり気にすることではない気がする。


iPhone 17 Proは(なんか2年前の予想がたまたま当たってしまい)アルミになってしまったけど、残念ながら薄くはならなかった。デザインで気になるのは背面の3眼カメラの望遠のやつだけちょっと他の2つから離れて配置されているってところ。分解動画などを見るとバンプのあたりはカメラとスピーカーがものすごい容積を使っていて、下側はほぼ全部放熱板とバッテリーだし、すごい構造だなと思う反面、もし性能を妥協して消費電力を2/3にできたら放熱機構とバッテリーが劇的に減らせて相当軽くできるのではと妄想してしまう。まあそれはiPhone 17無印ってことなんだろうけど。

バッテリーのガワで放熱するようにしたら放熱板を外付けしなくてよくなって軽量化するんじゃないのか? って思ったりもしたけど、よく調べてみるとそれはiPhone 16 Proで既に行われていたので、たぶんそれよりも進化した形として今回は独立した放熱機構にチャレンジしたって感じだろうか(来年には16 Proの構造に戻ったりする可能性は十分ありそうだが)。分解動画を見るとAirも17 Proも魅力的なんだけどモノとして使うために欲しいかと言えばうーん、って感じだ。


iPhone17は、16とあまり変わらないデザインで、でも色は16のほうがよかったかなあと思う。16 Proから持ってきたような狭額縁ディスプレイと超広角側のカメラが48MPになったことは自分的には嬉しいけど重くなったのはなんか残念という感じ。幅と高さが16と微妙に違って16 Proと同じになっていることからもディスプレイを16 Proから持ってきたってのはたぶん当たってるんだろうな。でもフロントカメラは正方形センサーに変わっているので、このディスプレイ部分も部品としては微妙に違ってるのかもしれない。

Minsforum UM790 Pro のファンが煩さかったので…

ファンを掃除したのだが、まだ解決していない。


ファンがビリビリ言う音を立てているのは前からだったんだけど、まあそれはそんなもんかと思って放置していたところ、最近になってブーンという、なんかどう考えても「どっかに当たってんでしょこれは?」みたいな音が時々鳴るようになってしまった。分解したり元に戻したりを何度かやったんだけど、改善したと思っても30分くらい使ってるとまた爆音が鳴ってきたりして困っていた。


UM790のファンは下側にケースファンがありそれはRAMとSSDを冷やしている。CPUファンは上側にありこちらを取り外すにはメインボードを外す必要がある。ケースファンをいくら掃除しても静かにならなかったのでCPUファンかと思い見てみたが、騒音を発しているのはケースファンのほうで、メインボードを外してCPUファンを拝んだのは無駄足だった。


ケースファンは下記のPC Watchの記事のちょうど真ん中あたりにある開腹写真にあるように、裏蓋にヒートシンクごとネジ止めされている。

https://asset.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1509/668/18_l.jpg

【PC短評】Ryzen 9 7940HS搭載で小型なのに高性能で超静音なミニPC!「MINISFORUM UM790 Pro」 - PC Watch

このネジの構造がいまいちである。

  • ヒートシンクとファンのまとまりは、裏蓋にはネジで止められているものの、ネジは緩く締められており、小さいバネで浮かされている構造になっている。このネジ受け部分の長さが短かくて、ネジを全部締めてしまうとファンが裏蓋にぶつかってしまうような設計になっている。
  • バネはそこまで強いバネじゃないので、このヒートシンクをちょっと強めの力で裏蓋に向かって押すと、同じようにファンが裏蓋にぶつかって良くない結果になる。
  • ヒートシンクがバネで押されているのは、ヒートシンクに貼り付けられているサーマルパッドがSSD接触した状態にしたいからだと思われる。
  • このバネがビリビリ音を立てるのでうるさいし、SSDが分厚いとサーマルパッドによって裏蓋側に押しつけられたファンが裏蓋とぶつかってひどい音を立ててしまう。
  • ヒートシンク(とファンがくっついた部品)を単にSSDの上に置くだけでいいじゃん。もうこのネジとかバネとかやめてしまったらいいのでは?」と思ったのだが、それではダメで、なぜなら実際に筐体を閉じた状態では、このヒートシンクのほうが下側にくるので、サーマルパッドの粘着力だけではいつか落下してしまうからだ…


基板の設計としてはこのヒートシンクが上面にくるべきだったのではないかという気がしてくる。SSD側が上でCPU面が下、そういう設計だ。UM790 Proの筐体は上下逆なのだ。USB type-Aのコネクタが上下逆になってしまっているのはきっとそのせいだ(しかしSSDへのアクセス性を考えたときに、SSD側に筐体を開ける蓋を用意したいし、それを止めるネジが天面にあるのは見た目がイマイチなので、いまのこのデザインになっている理由もよくわかる)。


どうすればいいかちょっと難しくて、ファンが干渉しない程度に何かヤワい物質を裏蓋との間に挟んで様子を見るくらいしかないような気がする。いろんな人がこのファンの騒音には困っているのか、調べると、改造したよという話がいっぱい出てくる。3Dプリンタで巨大ファンを付けるためのケースを作成してデータを公開している人も居た。

github.com

透明感のあるデザインが再考される時代がやってくるのか

Appleが新しいUIデザインLiquid Glassを発表したので、ハードウェアデザインも透明感を出したやつになり、つまりトランスルーセントが復活して往年のボンダイブルーiMacとかiBookとかG4 Cubeみたいなやつが復活するのではないかという話を見かけた。


でも、それは単に半透明なだけであり、半透明ってだけではLiquid Glassとも微妙に違うし、光学的なギミックを形状と素材に盛りこむ工夫がされるはずだと思っている。それで一番やってほしいと思っているのが2005年にソニーから発売されたNW-E400/500シリーズから始まるネットワークウォークマンのようなデザインだ(わりとすぐ終わってしまったのだが)。

NW-E405はどういう製品だったかというとこういう感じのやつであった。

https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/01/hi_nw01.jpg
デザイン一新、美しい有機ELディスプレイ――ソニー「NW-E405」:レビュー(1/3 ページ) - ITmedia NEWS

これ、正面から見ると外周の枠部分が透明で、裏側まで透けているように見える、つまり筐体の周囲は透明のアクリル素材で覆われているように見えるのだが、裏面を見てみると、筐体の全部を金属の不透明な素材が占めており、アクリルが筐体幅を広げているわけではないということがわかる。でも正面から見るとベゼル部分にはその先が透けているように見える不思議な構造。
もっと雰囲気がわかりやすいページはないのかと探したが、下の動画がわかりやすかった(冒頭で何度も転がしてくれている)
www.youtube.com


正面から見たときに光が屈折して背面斜め後ろにあるものが見えるようになっている。原理的には数年前に話題になっていた「光学迷彩シールド」と同じことをベゼルにだけ行っているような感じだろうか。
chizaizukan.com


実物を見ると、思ったよりもサイズが大きかったのと、なんだか操作ノブの部分の銀色のざらざらした部分がゴツくて妙にチープに見えてイマイチだったのでちょっとがっかりした。しかし今のAppleならそのへんはうまくやってくれるに違いない。



次点はシャープのAQUOS Crystalだ。レンズ効果によってベゼルを狭く見せている。これももっと評価されてほしい。

https://corporate.jp.sharp/news/images/140818-a-image18.jpg

ソフトバンクモバイル株式会社ならびにスプリント・コーポレーション向けスマートフォン「AQUOS CRYSTAL」を製品化|ニュースリリース:シャープ


でも、スマホにはいいかもしれないけど他のあんまり正面から見ない機器(Mac miniとか)にはどう適用していいかわからないですが。