3年前にメモリ64GBのミニPCを買った。当時のエントリを書いたのは2023/10/31だったけど、Amazonの注文履歴によれば、購入したのは10/15で、118,384円で買っていた。
naoya2k.hatenablog.com
このUM790 Proには32GBのDDR5 5600のSO-DIMMが2枚入っていた。Crucialのものだった。いま、同じDDR5 5600のSO-DIMM 32GB 2枚組を価格.comで調べると、最安値が14万円を超えていた。当時、16GBと64GBの価格差が2万円くらいだったと思う。自分の用途では16GBでも十分だと思っていたので、2万円差で64GBモデルにしようかどうしようかちょっと悩んだ記憶がある。
3年前に買ったPCと、全く同じ性能の部品が、部品だけで当時のPCよりも断然高くなっていて、別にそれが希少品でプレミア価格だからとかではなく単に品薄のせいだという。メモリの価格が上がってきたのは去年の11月からなのだけど、去年の11月の時点ではここまでの値上がりが1年にわたって続くとはあまり思ってなかった。過去からDRAMは値動きが激しいと言われてたけど、過去の例だとチップ価格が上がっても3倍とかであり、今回みたいに6~20倍の値上がりはなかったんじゃないかなあ。
古いものだとDRAM価格に翻弄されたエルピーダメモリの記事に当時の記述がある。ここでは2007年半ばに6ドルだった1Gbit DDR2 DRAMが2008年後半には1ドルを切ってしまったと書かれている。しかし最初に出てくるグラフではその1年後にはそれが2ドルを超えるところまで回復している。
【福田昭のセミコン業界最前線】エルピーダ、ついに復活へ - PC Watch
去年~今年のDRAM高騰はどれくらいだったか。エンドユーザ的には上記のように「2万円程度だったものが14万円に、6~7倍になった」というのが実感としては合ってる気がするがチップのスポット価格ではもうちょっと値上がりが厳しくて、DDR4なんかは2025年3月ごろには$3だったチップがいまは$70とかになっていたりするのである。
Memory spot prices at DRAMeXchange
Q1/2025 Q2/2025 Q3/2025 Q4/2025 Q1/2026 Q2/2026 DDR5 16G(2Gx8) 4800/5600 $5.24 $6.05 $6.84 $28.23 $37.46 $46.67 DDR4 16Gb (2Gx8) 3200 $3.15 $8.80 $11.13 $62.39 $74.34 $75.50 512Gb TLC $2.58 $2.69 $2.84 $11.52 $22.83 $20.07 GDDR6 8Gb $2.28 $2.43 $2.61 $5.22 $12.87 $11.52 exact date of pricing: Mar 26 June 25 Sep 19 Dec 29 Mar 30 July 2
https://www.reddit.com/r/hardware/comments/1vjorhl/memory_market_comparison_of_spot_contract_and/
世間の人々とかコンサルは、「コモディティは儲からない、差別化しろ」とかすぐ言ってくるくせに現実にはDDR4を作り続けたら爆益になっている。この状況、どう整合するんだよ。
というようなことをAIに愚痴っていたら、
「LPDDRとかGDDRとかで差別化しているのです」
とか言ってきた。
なので、
「LPDDRもGDDRも儲かってないときはコモディティだとか言われてただろう? なのに同じ商品が爆益を上げるようになるとそれは差別化されたコモディティではないとか言い出すのですか?」
みたいなことを追加で言ったら下記のような結論を得ました。
「利益が出ない時はコモディティだと叩き、儲かったら差別化されていたと言う」のは、まさに後付けのロジックです。
事実として、LPDDR5もGDDR6もコモディティのまま爆益を上げています。
過去の「差別化戦略」の主張は万能ではなく、「圧倒的なマクロの需要(AI)の前では、製品がコモディティであるかどうかは関係なく、市場に残って供給能力を持っていた者(生き残り)がすべての富をさらう」というのが、今の半導体市場が証明しているリアルな経営学の答えです。
今回のご指摘は、コンサルティング業界がクライアントに対して発してきたメッセージの矛盾を突いています。
コンサルタントは、自らが「汎用的なスキル(ロジカルシンキングや資料作成など)」というコモディティを売っているにもかかわらず、クライアントには「差別化せよ」と説きます。
しかし、コンサルティング業界自身も、景気が良くDXやAIの予算が世の中に溢れている時期には、大した差別化のない汎用的なコンサルタントであっても、人月単価が高騰して「爆益」を上げてきました。
半導体メモリがコモディティのままマクロの波(AI需要)で大儲けしているのと全く同じことが、コンサル業界でも起きています。





