昨晩から考えていたこと。
Apple対Samsungの特許訴訟の争点の一つになっているバウンシング特許はこういうものである。
例えば写真や文章をスクロールさせながら眺めていて、一番端のこれ以上スクロールできないところにまでたどり着いたとする。それでもさらにその写真を無理やりスクロールさせようと指で画面を押さえて動かしたとき、指が画面に触れている間は指とともに写真が動くが、指を離したとたん写真の端と画面の端がゴムでくっついているかのようにバウンドしながら元の位置に戻るというもの。
これは確かに有用な効果で、こういう効果が全くないとコンテンツの端に来ているからスクロールできないのか、それともスクロール操作に反応しない領域を操作しているのか(あるいはタッチパネルの反応が遅いだけなのか)の区別がつかずストレスが溜まるのだ。
しかしこんなの、ゲームでは結構むかしからあったのではないか。と思ってしまう。そんなわけでいくつかのゲームのメニュー画面を探してみたがドンピシャなものは見当たらなかった。で、モヤモヤしていたらラリーXはどうだろうと思いついた。
ナムコが1980年に発売したラリーXというゲームは自機は常に画面中央に居て、自機を移動させる操作を行うと、画面上の自機の位置は変わらないが迷路がスクロールする。迷路の端にくるとそれ以上は進めないのでスクロールしないのが普通であるが、迷路の端を走りつつ外周に向かってレバーを倒すと数ドット壁にめり込むような動きになる。レバーを戻すとその数ドットは元に戻る。つまりバウンスのような効果が得られている。自機を操作しているというメタファになっているが実質的に画面内で動いている要素はスクロールしている迷路の方である。このゲームにおいて迷路はコンテンツである。
どうなんだろう。ラリーXを見ていてあの迷路外周で発生する効果が面白いと思っていたら、バウンシング特許は自明だったりすると強弁できるのだろうか。いやぜひSamsungにはそれをやって頂きたい。