さよならiモード

  • ドコモ ケータイ(iモード)は2016年11月〜12月を目途に出荷終了し、在庫限りで販売終了いたします。ドコモ ケータイをお求めのお客様にはドコモ ケータイ(spモード)をご用意しております。
  • ドコモ らくらくホンiモード)については当面出荷継続いたします。
  • iモードサービスは今までと変わらず引き続きご利用いただけます。

https://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/161102_00_m.html

1999年2月のiモードの開始のニュースリリース時、僕はあまり注目していなかった。最初のF501iD501iは当時の207iシリーズと比べると無骨でダサく見えた。傍流のサービスで終わる可能性が高いと思っていた。P501iが出てきて、「あれ? このデザインだとあまり違和感ないじゃん」となって世界が少し変わった。半年後になるとiモード付き端末のほうが主流になっていて、2000年6月発売の209iではほぼ全端末がiモード対応になった。たった1年でのあの変化には凄いものがあった。僕らが適当に作ったWeb日記のページをたった60gの携帯で見れるようになって、ホテルの予約や行き方の確認が携帯電話から誰とも話さずにできるようになった。


その3年前の1997年頃は、見知らぬ場所のホテルの予約には、本屋でホテル一覧みたいな紹介本を買って、白黒の紹介ページを見つつ、これまた紙の地図とにらめっこして選んで、電話をかけて、というプロセスが必要だったことを考えると、個人的には1996〜2001年あたりまでの5年間の世界の変化は本当に凄くて、そこから先はあまり変わってない印象が強い。


iモードの衰退が決定的になったのは2008年から2009年にかけての、既存サービスをバージョンアップさせようという取組がことごとく失敗に終わったところからなのだろう。iアプリの進化版であるStarについても、iモード2.0に関しても、既存コンテンツをできるだけそのままシームレスに移行させるというビジネス側からの要望をまともに受け止めた結果、後方互換性に縛られて新しい時代に即した仕様にすることができなかった。
あのときに完全に新しい別仕様としてスタートしていればマシだったりしたかもしれないが、電力消費を増やしてはいけない・RAMも大幅には増やせない・半導体の進化のロードマップが不明瞭、というような状況では今以上に残念な結果になった可能性もあるし、良かったのか悪かったのかはよくわからない。


あとは2008年頃のタッチパネル対応はなんだったのか。今でも納得が行かない。当時タッチパネル非対応な端末はやたらと叩かれていたが、正直対応していた端末のタッチパネルだって全く使い物にならなかった。あのときにガラケー全体としてタッチ対応に統一感のある動きができていれば、ということも思わなくもない。無理だったけど。


いま店頭にあるiモード携帯でも、15年前に作ったiアプリをダウンロードすれば、まだちゃんと動く、というのはとても嬉しいことだった。それがなくなるのは残念だと思うが、まあ自分勝手な話だ。