技術空洞本

これ

いろんなところの書評を読んでちょっと変だと思った部分もあったりしたので
買って読んでいるんだけど、
なんかやたらと筆者の主観が入っているのと、
事実関係があいまいなせいで、
どこまでを信じていいのかよくわからないと思う。


話題がどんどん分散していくし主観的な話を客観的な書き方で記述しているようなところがいっぱいあるので、全体的に「じゃあ、結局VAIOが失速した原因はなんやってん?」というところすら、いまいちわかりづらかった。
「今のソニーはダメだ」という認識が染み付いている人には納得して読んでいける話が書かれているのかもしれないけど、
今のソニーは2004年頃よりも随分マシになってきたと思う。
テレビ事業も復活してきたし、
ロケーションフリーもがんばって続けてそれなりに日の目を見たし、
欧州のネットワークウオークマンの新機種も随分いい感じだ。
それはキャッシュフローが改善したことのいい影響がようやく出てきたのかもしれないけど。そのへんの因果関係はこの本ではわからなかった。


VAIOが失速したのは筆者がヘタレで組織を動かせなかったり、コスト重視の上級管理層に対して説得力のある数字を出せなかったからなのではないかという疑念もあって、それを覆すだけの説得力のある文章になっていないので、本としてはいまいち。
ソニーに興味のある人にはいいかもしれないけど、「ソニーSONY」などの他の本と一緒に読まないと偏った見方になってしまい危険。というのが俺の感想。


ただ、全体的にこの本でダメなだったこととして書かれている話は、
今の職場と非常に似た感じなのでちょっとイヤな感じなんだよな。