Raspberry Pi 5どうなん

Raspberry Pi 5が唐突に発表されて、まああまり予想はしてなかったのでサプライズ感があった。RTCの内蔵と電源ボタン搭載はとてもよいと思うがあとはHDMI端子をmicroじゃないものにしてほしかった。いまの端子配置だとmicroHDMI-HDMI変換アダプタをつけると干渉してしまいがちで使いづらいのだ。USBはフルサイズのAをつけておきながらHDMIをmicroにしてしまうのはコストの問題なのだろうか。

 

あまり机の上にスペースがない生活をしている自分からすると、Raspberry Piは2辺からコネクタが延びるのがイヤで常設したくない気分になっている。だからHDMIや電源側に向いているUSBポートが2つくらいあるととても嬉しいんだけどな。そんなこと気にするやつはそんなに居ないのかも。

 

SoCについては「A710がよかったなー。A76っていまいち面白くないよなー」と思ったりした。A76を採用するにしてもA76x2+A55x6とかみたいな、ちょっと工夫するとよりよく使えますよみたいなのがよかったな。

 

あといろいろなところで言われているが5V5AのUSB電源供給はやっぱりおかしいと思う。そもそも5A必要なのがおかしいという気もするので2.5Aで十分な程度に弱まってるけどRTCと電源スイッチが付いてる最新のRaspberry Piが欲しい、みたいな人はわりと居るんじゃないかな。

 

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iPhone 15 Proのチタンの宣伝が微妙

iPhone15 Pro、軽くていいよねとは思う。でもそもそもiPhone 14 Proが重すぎただけじゃねーかとも思う。ステンレスからチタンにしたので軽くなりましたというのはわかる。でもそもそも採用する必要なかったステンレスを勝手に採用して無駄に重くしといて、それを3年後のモデルで取り外して「めちゃくちゃ軽くなりました!」ってのはさすがに詐欺みたいなもんじゃないですかね。それで売れるからすごいんだが。

 

 

チタンというとどうしてもPowerBook G4がチタン筐体を採用したときのことを思い出してしまう。あのときAppleは、チタンはアルミニウムよりも軽いと言っていた。アルミとチタンが同じ厚さなら比重の軽いアルミのほうが筐体は軽くなるのだが、チタンのほう強度があり薄くできるからだ。

でも2年後のPowerBook G4 17inch/12inchで採用された素材はチタンではなくアルミだった。そして特に17inchは薄いことを売りにしていた。ポータブルデバイスの筐体の素材としてはチタンが最高なのではなくアルミやマグネシウムのほうが上であると僕は理解している。iPhone Proの筐体も2年後にはアルミになっていてもおかしくない。そのとききっとAppleは、「アルミを採用したことによってこんなに薄くなりました」みたいな宣伝をしてくれると僕は期待している。

 

 

iPhone Pro / Pro maxのカメラは魅力的だとは思う。12万円のカメラとして売っていたらちょっと買うかどうか悩んだのではないかと思う。でもそれに巨大な液晶がついていてもちはこびにくいのと、電池が交換できず寿命が短かいところ、カメラとしては致命的な欠点だと思う。ソニーのRX100 Vが発売されてからもう7年が経つが、まだ現役で使っても全然変じゃない。でもiPhone 15 Pro Maxを7年後にカメラとして使えるだろうか? ちょっと厳しい気がする。勿体無いと思う。

自分の中でのIntel N100の評価がいまいち確定しない件、あるいはZenアーキテクチャのBig-Littleの件

Minibook X N100が届いて1週間が経った。やっぱりこのキータッチとタッチパッドのボタンは良くない。これまでMinibook Xのレビュー動画などをさんざん見てきたのだけどこのキータッチの悪さに触れていたレビューはほぼなかったのでなんだか残念だなと思ってしまった(ちょっと触って感触を見ただけで、誰もキーボードをまともに使おうと思ってレビューしてないんじゃないか的な意味で)。もともとキーボードの出来は悪いかもしれないなと思ってたし、もともとこれを買おうと思った動機が「N100プロセッサのGracemontコアの素性を体感したい」だったのでまあOKだなとも思うものの、でも国内ブランドのノートPCで8万円とかでこのキーボードがついてたらボロクソに言われうんじゃないかと思うような出来ではある。

 

 

やっぱりN100は速いし凄いと思った件

 

N100にはGracemontコアが4つ搭載されている。CineBench R23のシングルスレッドの結果は900くらいであった。前回のエントリでは896であったが設定を詰めていくと900以上が安定して出るようになった。何度窓とソファがレンダリングされるのを眺めたかわからん。

そして自分の使っているデスクトップPC、RYZEN 5 2400Gと比べてみたらどうかなと思ったがシングルスレッドではなんとデスクトップPCのほうが遅かった。まあ自分のPCは割と省電力な設定にしているししょうがない。

しかしオフィシャルの結果を見てもZen初代(Zen1コア)のRyzen 7 1700Xのシングルが959となっているのでN100の916はそれに肉薄している。

CineBench R23のシングルスレッドの結果。Zen1に肉薄している

このスクショだけ見ると0.81GHzのN100が3.4GHzのRyzenとあまり変わらない結果を出しているように見える。

これはすごい。Gracemont最強じゃね?

でもここにはトリックがあって、N100はシングルスレッド高負荷時には3.4GHzまでクロックが上がる(一方でRyzen7 1700Xは3.8GHzまで上がる)ので、これはGracemont@3.4GHzとZen1@3.8GHzの結果の比較していることになるかもしれない(実際にHWMonitorなどでクロックを見ていると3.4GHzに張りついているわけではなく2.9GHzによく落ちている状況だったが)。でもそれでもZen1コアと同じクロックで同じくらいの性能が出ているのであればそれはすごいことだ。

Cinebenchだけを見てそんなこと言えるのかとも思ったのだけど、 PassMarkの結果などを見ても同じ傾向だったのです。

Zen1以前のCPUはもう過去の遺物と化しました。僕のRyzenデスクトップPCは速やかにCeleron N305のミニPCにリプレースするべきな気がしてきました。

 

でもやっぱりN100は微妙じゃねと思う件

しかし3.4GHzという高クロックで動作させて速い速いというのは果たして自分が望むCPUなのだろうか? なにか違うような気がしてならない。そもそも3.4GHzくらいのクロックが必要な領域ならそれはEコアのGracemontよりもPコアのGolden Coveの得意とする領域なのではないか。

そのあたり、Chips&Cheeseというサイトに調査した結果が載っていて、過去に読んでいたのだけど再度見返してみた。

Alder Lake’s Power Efficiency – A Complicated Picture – Chips and Cheese


このページの中のほうにある下記のグラフはいろいろな最大周波数の設定で7-zipベンチマークを実施したときの電力消費量をプロットしたものだ。横軸がクロック周波数で、縦軸が消費されたエネルギー量となっている。

https://i0.wp.com/chipsandcheese.com/wp-content/uploads/2022/01/image-22-1.png?w=938&ssl=1

Alder Lake’s Power Efficiency – A Complicated Picture – Chips and Cheese

 

これを見ると3.5GHzあたりでGracemontとGolden Coveの電力消費が同じくらいになっている。N100の最大周波数が3.4GHzになっているのもこのあたりのデータを見れば納得できる。ただ、同一クロックではGracemontよりもGolden Coveのほうが性能が良いので、3GHz以上でGracemontをぶん回して速いぞというのはなんだか微妙な気がしてしまう。

 

そして注目すべきは読み進めた先にある次のグラフである。こちらはコア部分の消費電力を横軸に、libx264と7-zipのパフォーマンスを縦軸にプロットしたもので、グラフが上になればなるほど性能が高いことを示している。そしてこのグラフにはZen2コアを搭載するデスクトップ版のRyzen 9 3950Xとモバイル版Ryzen 4800Hもプロットされている。

https://i0.wp.com/chipsandcheese.com/wp-content/uploads/2022/01/image-25-1.png?w=939&ssl=1

https://i0.wp.com/chipsandcheese.com/wp-content/uploads/2022/01/image-26-1.png?resize=768%2C363&ssl=1

Alder Lake’s Power Efficiency – A Complicated Picture – Chips and Cheese

見てわかるようにあらゆる電力ゾーンでRyzen 4800HがGracemontを圧倒している。Total Core Powerの計測方法がIntelAMDで異なっている可能性があり、たとえばRyzen系は1〜2W程度右にズレたグラフになる可能性もあるがそれでも10W周辺ではGracemontの1.5倍以上の性能をZen2コアが出していることになり、どう考えてもZen2がすごすぎてGracemont単体では勝ち目がない感じになる。

やっぱりN100は安いだけで微妙なチップなのかもしれない。Ryzen 4800Hのほうが省電力で高性能。

 

一方でZen2のコアはモバイル版は2Wから25Wまで、デスクトップ版は7Wから35W強くらいまでの電力レンジしかサポートできていなくて、いまのIntelのチップがRyzenよりも優位に立てているのはEコアとPコアを組み合わせているからだということがよくわかる。GracemontとGolden Coveのグラフの重なりと、3950Xと4800Hのグラフの重なりは非常に似通った形になっていて、AMDがZen4世代で「同じアーキテクチャのコアでBig-Littleをやる」というのも全然現実味が感じられるのだった。

CHUWI minibook X N100を買ったので感想。冷却ファンの出来が良かった

CHUWIの10.5インチディスプレイ搭載ノートパソコンminibook XのN100版が7月中旬に発売となったので速攻注文したところ本日届いた。いろいろためしたので感想を書く。たぶんレビューというほど公平な評価はできていない。

 

Cinebench R23をやってみたところマルチ2737シングル896だった。連続して実行してもだいたいこのあたりの数字が出てくるし、ThrottleStopというソフトでベンチマーク中のCPUの様子を見ていたところ2.7〜2.9GHzのあたりでずっと動いていたのでファンによる排熱がちゃんと機能している。

CINEBENCH

てっきり「熱くなって速度低下しちゃうんじゃねーの?」って思ってたのでこの結果は意外だった。2.9GHzに張りつかない理由は、どうもフルパワーで動きつづけられる時間に制限が設定されているからのようだ。ベンチマークを実行開始した直後はCPUの消費電力が13Wを超えたりしているんだがしばらくすると12Wに張りついてしまう。継続して消費できる電力の上限が12Wに設定されているということなのかと理解した。同じN100を搭載したデスクトップ向けのミニPCでは、このCINEBENCH R23 multicoreが3000を超えているとのことだけど2.9GHzを継続できる設定になっているのだろうか。

過去のminibook Xのレビュー記事を見ているとCINEBENCH R23のマルチコアの数字は下記のようになっている。2021年末のモデルはファンレスだったためにベンチスコアが安定しなくて勿体無かった。

  • minibook X (N5100, 2021末モデル) : 1000〜1500くらい
  • minibook X (N5100, 2023 ) : 2000〜2200くらい
  • minibook X (N100, 2023) : 2700〜2800くらい

 

 

CrystalDiskMarkの結果は下記のようであった。こっちは十分すぎる速度だと思った。

CrystalDiskmarkの結果。自分がいつも使ってるデスクトップの2倍の速度だ

 

良いところ

  • コンパクトでかわいい。正直パーフェクトではないのだが10インチでちょっとまともな数のキーが付いてて安いノートPCってもうあまり出てこないと思ったので購入したところはある。
  • 安っぽくない作りなのにRAM 12GB/SSD 512GBで46000円というお手頃な価格。
  • ファンがちゃんと機能しているのに静か。4コア2.7GHzを長時間維持できる冷却性能。正直なところデスクトップのN100と比べてベンチのスコアが3割減とかになっていてもおかしくないなと思っていたのだが、1割減くらいのスコアが出ており良いと思った
  • 十分な数のキーと比較的まともなキー配列。
    「キーを押したつもりが入力されていない」みたいな現象は一切起こってなくて、そこは良かった(前に持っていたGPD Pocketではこの現象のせいでキーを快適に使うことができなかったが、このminibook Xは大丈夫そう)。
  • タッチパッドMacBookなどに慣れた人にとっては小さくて使いづらいと思うがスムーズスクロールは滑らかになっているし、2本指や3本指ジェスチャーも設定でMacBookと同様の動きにできるのでとてもよかった。

 

いまいちなところ

  • 重量が重い。でもまあ安いから仕方がないとはいえ、でもGPD microPCの2倍の重さって考えると「うーん??」って思ってしまう。
  • 熱い。アイドル時の消費電力が大きすぎると思う。特にM1 MacBookとかと比べてしまうと残念感が際だつ。熱さはCPUだけじゃなくDDR5のメモリも一因かもしれないのだけど。
  • キーボードが自分的にはいまいち。キーが硬くてキータッチが悪い。数字キーだけ小さいのも打ちにくい。全部の通常キーがこの数字キーの大きさだったらとても良かったのにって個人的には思っちゃう。

    キーボード部分。数字の段とアルファベットの段でキーの大きさが違うので1とか2あたりを打ち間違いやすい
    触りごこちとタッチはGPD Pocket初代と似ていて、キーON時の音もボコボコ言う感じでよくない。でもいろいろなレビューではこれが割と好評価っぽいのでこういう感じのチューニングにしておいたほうがいいのかなと思う。
  • タッチパッドのクリックボタンの感触が良くない。ボタンは硬いし押し込んだときに下品で大きい音が鳴ってしまう。
    また、Macトラックパッドだとパッドの(下のほうであれば)どこを押してもOKだったのだが、この機種では明確にタッチパッドの左下と右下にスイッチがあり、そこの周辺を狙って押し込む必要がある。たとえば一本指でドラッグ(ボタンを押しこみつつポインタを移動させる)操作をやるような場合、ドラッグしている間にスイッチの場所から指が動いたことによりスイッチがオフになってしまうのだ(正直こんな機構になるならクリックボタンはクラシカルな感じのパッドから分離して物理ボタンとして配置したほうがよかったと思う)

 

実際のところN100は世間で言われているほど良いCPUではないと思う。例えばファンレスのM1 MacBook Airが熱でヘタりながら実行したCinebench R23の結果は7000である。このときのAirのCPUの消費電力は最初の2分だけは12W以上使えているがその後は熱によって性能がどんどん制限されてすぐに10W程度になってしまっていた。M1と比べて似たような消費電力で性能は40%未満というのは、IntelのCPU以外も含めて客観視したときに本当に「省電力高性能」と言えるのかどうか悩ましいところだと思う。

ただ、このminibook Xの10インチというサイズはノートPCとしてやはり魅力的であり、半分以下の性能だったとしてもMacBook Airよりもこちらを選ぶ十分な理由になってしまう。だから他のメーカーもこれくらいのサイズのやつをどんどん出して欲しいと一瞬思ったのだけど、でも、このminibook Xが46,900円(僕が購入したとき)で、その上にはGPD Win Max2が135,520円で売られていて(2023/8/11現在)、それ以外の似たようなノートPCを作っても努力に見合うだけの売行きは期待できないような気がしてしまうので難しい。

モドレコの特許とトーレルーフの特許

前回のエントリ(下記)で僕はこんな風に書いていた。

naoya2k.hatenablog.com

一応公開されている任天堂ゼルダTotKの特許は舐めたつもりだが、出願されているだろうと思った内容のものが全てあったわけではなかった。具体的には下記のようなものがあるのではないかと期待していたのだが、なかった。

 

これは大きな間違いで、トーレルーフとモドレコの特許はもっともっと前に出願されていたのだ。下記の2件の特許だ。

 

特開2021-186370(P2021-186370A) … トーレルーフの特許

【公開日】令和3年12月13日(2021.12.13)
【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、ゲーム処理方法
【出願番号】特願2020-96009(P2020-96009)
【出願日】令和2年6月2日(2020.6.2)

 

これはもう見たままトーレルーフの特許である。

特開2021-186370の代表図面。明らかにトーレルーフ

 

要約に書かれている解決手段も下記のようにシンプルである。

【解決手段】情報処理装置は、プレイヤキャラクタと地形オブジェクトとが少なくとも含まれる仮想空間内において、プレイヤの操作入力に基づいて地形オブジェクト上においてプレイヤキャラクタを移動させる制御を行う。

また、情報処理装置は、少なくともプレイヤキャラクタの上方に天井となる地形オブジェクトがあり、かつ、当該プレイヤキャラクタの上方であって当該天井のさらに上方に、当該プレイヤキャラクタを配置することが可能な地形オブジェクト上の移動先があることを少なくとも満たす場合に、プレイヤの操作入力に基づいて、当該プレイヤキャラクタを当該移動先まで移動させる。

 

 

しかし【発明の詳細な説明】を見ると、もうちょっと丁寧に書いてほしかったなという気がしないこともなかった。特に課題のところ。

 

【発明が解決しようとする課題】
  従来においては、プレイヤキャラクタを高く飛び上がらせることができる一方、プレイヤキャラクタの上方に地形オブジェクトがある場合には、当該地形オブジェクトよりも上方にプレイヤキャラクタを移動させることはできなかった。
  それ故、本発明の目的は、プレイヤキャラクタの上方に地形オブジェクトがある場合において当該地形オブジェクトの上方に当該プレイヤキャラクタを移動させることができるゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、ゲーム処理方法を提供することである。

いやいや「地形オブジェクトよりも上方にプレイヤキャラクタを移動させることはできなかった」っていうけど、そもそもなにも考えずに作ったら壁も天井もすり抜けてジャンプできまくりになりませんか??

だいたいそもそも下から上に通り抜けることができる床なんてスーパーマリオ3にもいっぱいあったじゃないか…。

 

というわけで課題の記載はいまいち雑なものの、判定方法については下記のような図を持ちいて少し丁寧に説明されていた。

トーレルーフできる条件を解説した図たちの一部

請求項には移動中にアニメーションを表示することとか、天井にマーカーを表示するとか、そのマーカーは条件を満たしているかどうかで表示が変わるようにするんだとかそういうことが記載されているものなどがあった。

 

特開2021-186373(P2021-186373A) … モドレコの特許

【公開日】令和3年12月13日(2021.12.13)
【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム、およびゲーム処理方法
【出願番号】特願2020-96049(P2020-96049)
【出願日】令和2年6月2日(2020.6.2)

これは図だけ見てもよくわからないが、このゼルダTotKをプレイしたことがある人が下記要約を見れば明らかにモドレコの特許だとわかる。

特開2021-186373の代表図面。これだけを見てもなにかよくわからない。

【解決手段】操作入力に基づいて選択された指定オブジェクトに対して、操作入力に基づいて開始指示された時点から順に遡って過去にメモリに記憶された位置および姿勢に戻る復帰移動をするように、仮想的な物理演算に用いられる運動に関するパラメータを変化させ、仮想的な物理演算に基づいて、プレイヤキャラクタ、指定オブジェクト、およびそれら以外のオブジェクトを含めた仮想空間内の状態を更新させる。

そしてトーレルーフの特許に続いて、この特許の課題の説明もちょっとやる気がない。

 

【背景技術】
  従来、仮想空間内に配置されているオブジェクトの動きを利用するゲームプログラムがある(例えば、非特許文献1参照)。

【非特許文献1】”ゼルダの伝説  ブレス  オブ  ザ  ワイルド“、[online]、任天堂株式会社、[令和2年4月24日検索]、インターネット(URL:https://www.nintendo.co.jp/zelda/index.html

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
  しかしながら、上記非特許文献1で開示されたゲームプログラムでは、仮想空間内で動作するオブジェクトにおいて、当該動作を戻す動きを利用することはできなかった。
  それ故に、本発明の目的は、仮想空間内におけるオブジェクトの位置や姿勢を戻しながら、当該戻る動きを利用可能とするゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム、およびゲーム処理方法を提供することである。

 

いや強引すぎるだろこの課題。

「仮想空間に配置されているオブジェクトの動きを利用するゲームがあった」
→「でもそのオブジェクトの動作を戻す動きを利用することができなかった」

そもそも「動作を戻す動き」って何だよってツッコミを入れざるを得ない。BotWでそんな課題があったなんて知らなかったぜ。

 

でもこの特許についてそんなところはどうでもいいのだろう。その先はざっくりこんなことが書かれていた。

  • 所定範囲内のオブジェクトについて、時間毎の位置および姿勢を時間経過に沿ってメモリに記憶される。ユーザ操作があったらその記憶した位置と姿勢を逆方向に再生する
  • そしてそのような動きをするように物理演算の運動に関するパラメータを変化させて、プレイヤキャラクターを含む他の物体の動きに影響を与える
  • 戻る動きは途中でユーザ操作によって終了させることができるようにしてもよい
  • 戻る動きをするときの経路を表示してもいい
  • 戻る動きをさせるオブジェクトを選択できるようにするため、ユーザ操作で選択モードのような状態(選択可能状態)に入ることができる。選択可能状態では選択できるオブジェクトを他と違って見えるように表示したりするとよい

たしかにモドレコのとき、戻る動きを無理矢理させられてるのは選択されたオブジェクトだけで、それ以外の物体はそのオブジェクトの影響を受けつつ通常の物理演算的な動作をしている感じだし、それを特許の文面に書いていくのはわりと大変そうだなと読んでて思った。

 

特開2021-186376(P2021-186376A) … 落下中のプレイヤーキャラの姿勢の特許

【公開日】令和3年12月13日(2021.12.13)
【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、ゲーム処理方法
【出願番号】特願2020-96141(P2020-96141)
【出願日】令和2年6月2日(2020.6.2)

これも同じ日に出願されている特許で、全然中身を読んでいない状態ではあるけど代表図面がかなりわかりやすく、落下中のプレイヤーが弓を構えたときの姿勢についての特許出願のようだった。下向きの場合には真っ直ぐ下向きの姿勢になるんだけど、所定の角度よりも上を向いたときは直立で横に向いた姿勢になるということが代表図面に示されている。

落下中に弓を構えたときの姿勢の特許のようだ。

 

今回紹介した3件の特許はどれも出願日が2020年6月2日となっている。6月9日から開催予定されていたE3でこのあたりのフィーチャーを含んだ映像が公開される予定だったのだろうと思われる(実際にはCOVIDの影響でE3は中止となり6月に映像が公開されることはなかった)。

ゼルダTotKで「普通」の挙動を実現するための特許がいろいろ出願されている件

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」(ゼルダTotK)を購入して遊んでいるのだが、ヌルくだらだら遊んでいるために一向に終わる気配がない。
(京都の地名の元ネタを探したりしているからという説もある。「カスケイオマの根」は烏丸御池なのだろうとか)

そうこうするうちに時間が経ち、任天堂の特許を検索してみるとどう見てもゼルダTotKに関するものが大量に出願されていた。その数31件。ヤバい。

そんなわけでざっと概要などを斜め読みした結果をまとめたものが下記の表である。左端の列の連番で2が抜けているのは、ここにあった特開2023-104988はゼルダに関係のなさそうなものだったからである。

今年7月10日から、8月4日までに公開となった任天堂の特許。ほぼTotKのものだった

スクラビルドの特許が3件。ウルトラハンドとそれで組み立てた道具の挙動などに関するものが3〜6件、今回あまり目立ってないが自分と一緒に戦ってくれたり特殊能力を提供してくれるNPCに関するものが7〜8件ある。

ウルトラハンド関連の23件と、純粋にUIとして良いなと思うもの2件を簡単に紹介する。

 

特開2023-103273(P2023-103273A) … モノに乗って移動するときの計算の特許

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2023-103273/6B1E7E15670E730C5DEAF877AF466F706D91B47CAD6DC015008FDC07DA623400/11/ja


【公開日】令和5年7月26日(2023.7.26)
【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法
【出願番号】特願2023-70334(P2023-70334)
【出願日】令和5年4月21日(2023.4.21)

 

【要約】
【課題】プレイヤキャラクタを様々なオブジェクトに乗せて移動させるのに適したゲームプログラムを提供する。
【解決手段】本実施形態のゲームでは、仮想空間に配置された移動可能な動的オブジェクトを物理演算に基づいて移動制御させ、操作入力に基づいてプレイヤキャラクタを移動制御させ、プレイヤキャラクタの下方向においてプレイヤキャラクタと動的オブジェクトとが接触している場合に、当該下方向に接触している動的オブジェクトの移動をプレイヤキャラクタの移動に加える

 


これは代表図面の図9にあるように車のような動的オブジェクトが動いたとき、上に乗っている主人公リンクは何も操作しなくてもその下のオブジェクトと同じように動く、という特許である。リンクの下の接触判定をチェックして、その下のオブジェクトが動いてたらその速度をリンクの速度にする、というもの。


「いや、それ、当たり前やん。重力があるのにそれができてないゲームなんて源平討魔伝くらいだろ? どこが特許なの?」


まあこんな風に思うわけだけど、任天堂さんの主張は違った。
今回リンクも動的オブジェクトも物理演算で動作しているので、普通に考えれば動的オブジェクトの上に乗っているリンクは動的オブジェクトとの物理演算(たとえば摩擦力など)によって動的オブジェクトと一緒に動くよう実装するのが素直な作りかた。でもそれだとゲーム的にいい感じじゃないので、リンクと動的オブジェクトとの間は物理演算は行わず、リンクの下方向に接触したオブジェクトと同じ動きをリンクにもさせるようにしてしまったらいい感じになった、ということらしい。

 

請求項1は下記のようになっている。

【請求項1】
  情報処理装置のコンピュータに、
    前記仮想空間内に配置された移動可能な動的オブジェクトを物理演算に基づいて移動制御させ、
    操作入力に基づいて、仮想空間内においてプレイヤキャラクタを移動制御させ、
    前記プレイヤキャラクタの下方向に対する接触判定を行わせ、
    前記プレイヤキャラクタが前記下方向において前記動的オブジェクトと接触している場合に、当該下方向に接触している前記動的オブジェクトの移動を前記プレイヤキャラクタの移動に加えさせる、
  ゲームプログラム。

こんなの、普通に先行例がありそうな気がするんだけど、でも具体的にこれだぞと突きつけるのは難しい。審査請求されたときに審査官がどのような反応をするのか、経過が気になる特許と言えよう。

 

特開2023-103274(P2023-103274A) … 自分が上に乗っているものはウルトラハンドで掴んでも動かせないという特許

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2023-103274/F63BED3D38106634E5C0FFF731694ECD21E4C076D346A9ECA12C0ACF0A40DFBA/11/ja

 

【公開日】令和5年7月26日(2023.7.26)
【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法
【出願番号】特願2023-70335(P2023-70335)
【出願日】令和5年4月21日(2023.4.21)

 

 

ゼルダTotKでは、ウルトラハンドという特殊能力で、見える位置にある移動可能なオブジェクトを自由に動かすことができるんだけど、自分が乗ってるオブジェクトは移動できないようになっている。これが特許だというのが、この出願である。

「いやそれ当たり前やん」

まあその通りなんだけど、ウルトラハンドではオブジェクト同士をくっつけて一体の動的オブジェクトとして扱うことができる。その結果自分が乗っているオブジェクトと一体になったオブジェクトを操作対象とすることができてしまうんだけど、そのような場合でも自分が乗っているオブジェクトに結合している場合には移動させないようにするというところがポイントのようなのである。

こういうのも先行例がありそうで、でも「具体的に何かあったのか?」って探すとなかなか見つからないような気がする。まあこれを回避しようとすればそもそも移動対象にならないオブジェクトは操作対象にできないようなUIにすればいいのでそこまでイヤな感じの特許ではないかもという気がする。

 

特開2023-102296(P2023-102296A) … ロケットや扇風機の推進力を制御する特許

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2023-102296/3FEB6F34E8D391EC2441AF27E5D659D4AD5899886EACE6304E6C64DE8B5A3D1A/11/ja

【公開日】令和5年7月24日(2023.7.24)
【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法
【出願番号】特願2023-73338(P2023-73338)
【出願日】令和5年4月27日(2023.4.27)

 

【要約】
【課題】オブジェクトに推進力を加えるとともに許容される範囲を超えた速度に到達し難いように制御することが可能なゲームプログラムを提供する。
【解決手段】本実施形態のゲームでは、仮想空間に配置された移動可能な動的オブジェクトのうちの推進オブジェクトについて、推進力を発生させ、物理演算に基づいて推進オブジェクトを仮想空間内で移動させる。推進オブジェクトの移動速度の、推進力の方向に沿った成分の大きさに応じて推進力を減衰させ、当該推進力の方向に沿った成分が所定の基準値を超える場合、推進力が無くなるように制御する。

この概要と、請求項1 (解決手段と同じようなことが書かれている)だけを見ると、この特許は、
「オブジェクトに最高速度が設定されていて、その最高速度を超えないように制御する」
というだけの内容に見えてしまう。またまた
「いやそれ当たり前やん」
と言いたくなってしまうのであるが、実際にはもっと細かいことが書かれている。その説明に使われているのが下記の図10である

P2023-102296の図10

この図10のように、1つの組立品オブジェクトに稼動部品(31bの丸い円盤が回転するらしい)があり、その上に推進力を持つ部品(31abの扇風機)が設置されているなどのときには、部品毎に速度が変わってくる。その上でその部品毎に推進方向の速度ベクトルの大きさに応じて推進力の減衰量を決めるということだ。普通の空気抵抗や走行抵抗ではダメな理由はよくわからないが、とにかくゼルダTotKの道具たちはこのような仕組みで動いているらしい。

 

特開2023-98721(P2023-98721A) … 3階層のマップに足跡を表示させる特許

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2023-098721/3447F2658F7D3904EC61F2D889B653CAA8F4E31A1B60F11A815E9C719D8D7F22/11/ja

【公開日】令和5年7月10日(2023.7.10)
【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法
【出願番号】特願2023-14132(P2023-14132)
【出願日】令和5年2月1日(2023.2.1)

【要約】(中略)
ゲーム開始からの時系列に沿ったプレイヤキャラクタの位置の履歴を記憶させ、ユーザの第1の指示に応じて、仮想空間内における高さに応じて複数の階層を有するマップ画像における何れかの階層を表示させ、マップ画像の表示中において、ユーザの第2の指示に応じて、当該表示中の階層のマップ画像に履歴に基づいたプレイヤキャラクタの軌跡が重畳され、かつ、当該表示中の階層に対応する高さの履歴に基づいた部分の当該軌跡と当該表示中の階層以外に対応する高さの履歴に基づいた部分の当該軌跡とが異なる表示態様となる足跡表示を行わせる。

 

今回のゼルダでは地図に足跡を表示することができる。これはその足跡表示の工夫に関する特許である。

 

【ティアキン小ネタ】足跡モードで道のりを確認! 未探索の場所がひと目でわかる【ゼルダの伝説】 - GAME Watch

マップを開いてXボタンを押すと「足跡モード」が起動し、自分がどういった道のりを辿ったかを詳細に見ることができるので、今まで行ったことのない場所を見つけるのに役立つ。 

https://asset.watch.impress.co.jp/img/gmw/docs/1516/664/3_o.jpg

上の画像のように足跡が緑色の線で描画されているのだが、明るい緑色の線と薄暗い緑色の線があるのがわかる。ゼルダはマップが3階層にわかれており、これは地下のマップを表示している状態なので、地下で移動した軌跡は明るい緑色で、それ以外の階層で移動した軌跡は暗い緑色で表現される。

これも「いや、他の階層の移動はちょっと表示態様を変更するとか、普通にありそうじゃん」と思うような内容なのであるが、階層化されているマップを探索するゲームというのがそもそもあまりないし、それに移動の軌跡を表示させるものとなると、なかなか…これまでなかったかも? ってなってしまうのである。

 

特開2023-98720(P2023-98720A) … ワープのときのロード待ち時間のマップの演出

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2023-098720/8ECFEDAFDFB078FD2FB805A24CB80BBC213DAF27A5458BF4E5A29C3059A3B590/11/ja

【公開日】令和5年7月10日(2023.7.10)
【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法
【出願番号】特願2023-14039(P2023-14039)
【出願日】令和5年2月1日(2023.2.1)

 

【要約】
【課題】少なくとも一部のゲーム処理を中断する待機期間における演出を豊富にすることができるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法を提供する。
【解決手段】現時点におけるプレイヤキャラクタの位置である移動元から離れた位置であって、ユーザの操作入力に基づいて指定された位置である移動先に、プレイヤキャラクタの位置を当該移動元から移す遠距離移動の指示が行われた場合に、少なくとも一部のゲーム処理を中断させ、中断されたゲーム処理を再開させるまでの待機期間を開始させ、待機期間が終了するまでの間、移動元の周辺のフィールド情報を表す第1のマップ画像を含む第1の表示を行わせ、第1の表示の後に、移動先の周辺のフィールド情報を表す第2のマップ画像を含む第2の表示を行わせ、待機期間の終了後、仮想空間内の移動先にプレイヤキャラクタを配置して、中断されたゲーム処理を再開させる。

 

ゼルダBotWやTotKは広大なマップの移動を容易にするために様々なワープポイントへのワープがわりとどこからでもできるようになっている。仮想空間上の全然違う場所に移動するので、当然ロード時間がかかってしまう。BotWのときはこの時画面左端の「ゼルダの伝説」というタイトルロゴが塗り潰されていくアニメーションを行っていたが、TotKはそれに加えて画面左側のマップが「移動元」→「移動先」に変化することで、いまワープしているぞということを表してユーザを退屈させないようにしている。それがこの特許の内容である。

特許の内容がとても僕の好みなのであるが、なんといっても選択図にかかれているこのフローチャートが面白いと思う。実際にこんなロジックが実装されてるわけでは全然ないだろうが、まあやっていることはわかる、という図になっている。特にS180とS183のところ。参考になる。

特許に記載のワープ時のマップ演出のフローチャート

 

最後に

一応公開されている任天堂ゼルダTotKの特許は舐めたつもりだが、出願されているだろうと思った内容のものが全てあったわけではなかった。具体的には下記のようなものがあるのではないかと期待していたのだが、なかった。

  • スクラビルドしたものを普通に戻すと素材は失われるが、店で金を払って分解してもらうと素材も戻ってくるやつ
  • トーレループトーレルーフ*1で上に飛び上がれるときと飛び上がれないときのマーカーの表示
  • トーレルーフの特許。トーレルーフ中の表現とか、トーレルーフ終了後に移動先を見て決定キャンセルを選べるところとか
  • ウルトラハンドでオブジェクトを回転させるときの操作
  • ウルトラハンドでくっつけるときの接着剤のようなものの表現
  • モドレコの特許
  • ブループリントの特許

が、まだTotKの発売前に出願された特許が全て公開されたわけではないので、今後公開されるものがまだまだあるのではないかと思う。また調べたいと思う。

(2023/8/10追記。トーレルーフとモドレコについては既に出願されていたので下記の追加記事を書いた

naoya2k.hatenablog.com)


それにしても、実際にゲームをやっていなければ意味や効果がよくわからないだろう特許が今回は大かった。特に下記はゲームをやっていたからすんなり理解できたが、ゲームを知らずに特許の書類だけを見ていたら理解するまでにかなりの時間を要してしまいそうだ。

  • 特開2023-098585 叩くと地面に固定されて光るアカリバナの特許
  • 特開2023-098591 ルージュの雷撃の特殊能力の特許

特許の請求範囲はもちろんゲームで実現されたものだけに留まらないので文面を読むのは重要だがゲームの知識がなければそもそも理解できない可能性がある。対象を知ることは重要である。

*1:2023-08-08修正しました。ずっとトーレループだと思ってた恥ずかしい…

Pixel4aのmaze artifactがすごい

デジカメでは画像処理によって現実ではない模様が写ってしまうことがあるのだけどPixel4aはちょうど1ピクセルからそれ未満の幅に縦縞や横縞を写したときに迷路状の模様が出るのが顕著である。そして僕はこの興味深い現象がわりと好きだ。

 

2021年に買った直後になにげなく撮ったマンションの壁面を2倍拡大したのが下記である。もちろんこんな模様のマンションではないのにこのような模様が出る。

 

カメラレビューの記事などではMaze Artifactとときどき書かれていることを知っていたがググってもあまり見つからないので、一般的には別の名前で呼ばれているのかなと思う。

 

過去にパナソニックマイクロフォーサーズでこの問題が上げつらわれていたのを見つけたりしたけど、それはコントラストを強調したら目立つよねレベルのものだった。自分はここまで激しいのはあまり見たことがなかったけど、最近のスマホでは普通なのかもしれない。

わりとキモい感じではあるので、世間で話題になってしまうとカメラのソフトウェアがバージョンアップされていつのまにか解決してしまうかもしれない。だとするとこのアーティファクトを楽しめるのは今だけなのかもしれない。

 

去年の12月に撮ったこのフェンスの写真もこんな感じなのだった。

 

後者のフェンスの画像なんかだとはこの一枚の画像でも手前側からの推測で「どうせここは縦に柵があるだけだろ」みたいな補正ができるかもしれないけど、最初のマンションの壁面はどうしようもない気がする。「こんなキモい壁面のマンションなんてあるわけがない」として塗り潰してしまうのは道具として正しくない態度だと思う。

 

 

中国メーカーのスマホの「月を認識してAIで画像処理する」は、「それやっちゃうのはやばいだろ」と思ってたら本当に月食時にダメだったのだ。下記のTogetterでニュートラルやポジティブな反応をしている人は最初に問題点として指摘していた人の内容を理解していないからそういう反応になっているだけだし…。

【真偽不明】月食写真でわかる?一部のスマホの「月撮影モード」では素材合成っぽい処理をしてるものがあるらしい - Togetter