ドコモの新料金プランが面白い件

ドコモが新料金プランahamoを出してきてそれを総務省が評価しているのはとても興味深い案件である。もともとこれまではドコモにとっては、MNOが本気を出して低廉なプランを作るとMVNO業者が死んでしまうので公平な競争ができる環境になるように注意して料金を設定しろという空気になっていたと思っていた。

 

 

まあ公平な競争というのは、要するにドコモにとってはドコモの優位性を使って究極に安いプランを出すんじゃなくて、MVNOと同じようなことをやってMVNOとちょっと高い価格くらいで出すんだよねということになっていた。当然本気を出せばもっと安いプランを出すことはドコモとしては原理的にはできる。でもそれはやっちゃいけないことだったはずだ。電波という公共の資源を使わせてもらっている日本の大企業としてのドコモにとってみれば、いまのサービスを維持するだけではなく、将来に向けての研究開発投資も当然やっていかないといけない社会的責任もあって、それを全うしなければいけないというような意識もあったはずだ。

 

 

それがもう最近の議論ではとにかくドコモと契約している消費者の月額料金をどんなことをやっても減らすんだ。やればできるだろ? みたいなめちゃくちゃな感じになってきていた。だから今回のahamoは、当のドコモからすれば「それやってもよかったんでしたっけ? ダメって言ってませんでした? じゃあやりますね。総務省さんの指示に従ってやるんですからね後で文句言わないでくださいよ? 」みたいな感じで出てきているように僕からは見えてしまうので、めっちゃ面白いなと思っている。

「分離プランをやれ」っていってその1年後に携帯メーカ各社が苦境に陥ったり、「MNPで活発にユーザがキャリアを移動できるのが望ましい」って言ってやらせた結果各キャリアのMNP優遇策で真面目なユーザが損する結果になったり、そういう「思い込みで短期的な結果だけを求めて何かをやらせた結果逆効果になった」みたいなことが今回もきっと高確率で発生すると思う。2年後が楽しみです。