デュアルショック3(CECHZC2J)を修理していた

PS3を久しぶりに起動しようとしたら2つあったデュアルショック3コントローラの片方が使えなくなっていた。PSボタンを押しても反応がなく電源が入らなく、ケーブルで接続すると充電ランプは点滅するがやはり操作できない。

「電池がイカれたか?」と心配したが充電してぐりぐりいじってるとコントローラが反応してPS3の電源が入った。しかしPSボタンが効かなくて電源が切れなかったりソフトを終わらせることができない。いろいろいじった結果PSボタンの効きが非常に悪く0.3%くらいの確率でしか押しても反応してくれないという症状だという結論になった。

 

デュアルショック3でボタンが効かなくなる症状のほとんどは、ボタン側のフレキと基板との接続にコネクタを使わずフレキ側の端子部分と基板側のランドが単純に圧着されるだけの構造になっているうえに、そこに圧力をかけているスポンジが劣化することによって発生している。この症状はたまによくあるようで、たくさんのページにそのスポンジの上に両面テープを貼って厚さをかさ増しするなどの修理方法が載っている。今回の自分のケースも同じ原因だったので、分解して、フレキの裏側にくっついていたヘタっていたスポンジにテープを貼って組み立てるだけで正常動作するようになった。

 


 

デュアルショック3はCECHZC2Jという型番なのだけど同じ型番で複数のバージョンがあり、さらにCECHZC2JA1とかCECHZC2JA2といったものも存在するようで、分解の仕方はおおよそ同じなのだけど細かい部分が異なっている。下記のようなページを参考にしたが、今回分解したCECHZC2Jは、そのどれとも異なっていた。

https://awgsfoundry.com/blog-entry-235.html

https://ei26blog.com/ps3-dualshock3-fix/

https://zigsow.jp/item/64766/review/217868

 

上のリンク先の画像ではどれも、振動モータは樹脂パーツにセットされた上で、その樹脂パーツがコントローラのケースにネジ止めされている構造だが、自分が分解したものでは下記のように金属製の振動モータが直接ケースにネジ止めされていた。

今回分解したCECHZC2J

また、いろいろな分解解説ページの画像ではL2R2とL1R1の間の樹脂部分は上側のケースと一体になっているのだけど、自分の分解したものではL2R2とL1R1の間の樹脂部品は独立しており、またL2R2ボタンの軸がプラではなく金属棒だったりしていて少しコストがかかっている感じだ。

A1で削除された(おそらくコストダウンのため)、電池をマウントする樹脂パーツが存在することとか、このL2R2ボタンの作りは前モデルのSIXAXIS(CECHZC1J)と同様のようなので、この今回分解したデュアルショック3はかなり初期の設計のものなのではないかという気がした。下記のようなSIXAXISの分解ページを確認したが、SIXAXISでは、ボタンのフレキシブル基板はメイン基板にちゃんとコネクタでつながっておりデュアルショック3のような問題は発生しなさそうだった。

https://digandrescue.com/hardware/sony/sony-playstation3-cechzc1j-sixaxis/

 

それにしても分解してみるといろいろな要素が無駄なくコンパクトに収まっていて凄いなと感じる。この頃の日本のこういう小型電子機器の設計技術は明らかに世界に誇れるものであった。今はどうかと考えると少しさびしい気がする。

 

(余談だけど上記の3つのリンク先の一番下のページや、Amazonのレビューページなどで、コントローラ裏面のシールの表記が、初期型は3.7V 300mAhから後期型が5V 500mAhに変化していることをもって「バッテリーが大容量化した」みたいに書かれているんだけど、そこに書かれているのはバッテリー容量ではなく外部から与えられる電圧電流値だからバッテリーの容量には関係ないと思いました)