Apple TVすげぇ

Apple TV分解 - Engadget 日本版
Apple TVを分解,NVIDIAのグラフィックスLSIを確認 | 日経 xTECH(クロステック)

この大きさにx86ベースのCPUと、GeForce6300と、HDDを詰め込んで、なおかつ電源が内蔵されているってところは正直びっくりです。
てっきりMac miniと同じようにACアダプタ使うのだと思ってたのもので。
一応内部に冷却ファンは存在するみたいなんだけど、Mac minの背面に排気口があるわけでもないので外見からは全くを感じさせず通常の非力なRISCコアベースの家電だと言われても信じてしまいそうです。


そして画面とか動作を見るとあからさまにMac OS Xベースです。
(バラして発見、搭載OSは“Apple TV OS”だった!?
には10.4.7ベースだと書かれているのでたぶんそうなのでしょう)

たとえばスライドショーの効果なんかはiPhotoのものそのままだし、フォントなんかもMac OS Xと寸分違わず綺麗に表示されているんです。
これは、正直綺麗にフォントをレンダリングするだけで一苦労しちゃうようなプラットフォームで開発をしているボクなんかからすると羨ましくてたまらない世界で、開発環境もXCodeベースでそれなりに整備されているんだろうとか、デバッグMac OS Xですぐ動作させれちゃうんだろうなとか、そういうことを考えると日本の家電メーカの開発環境とApple TVに使われた開発環境で生産性が3倍とか10倍とか違ってもおかしくないんじゃないかとすら思えてしまいます。


その上で冒頭で書いたように外見は明らかにPCではないようなものになっていて、ネットワーク家電アプライアンスというものをMac OS Xインテルベースのハードでちゃんと出せてしまうということがわかってしまった。じゃあ結局、Mac OS Xが載せれるほどハードウェアがパワフルでもOKなフォームファクタで、そしてMac OS Xで十分に耐えれる程度の用途の家電機器では、Appleに対抗して独自プラットフォームで戦いを挑んでも長期的には勝ち目がないんじゃないか、というところがボク的には凄いショックだったわけです。
バカのひとつ覚えみたいにLinuxとか言ったところで、相当気合を入れて開発環境を整備しないとXCodeに勝てないと思うので、そうするとソフト開発費が高騰して負けちゃいますから。


東芝はこれを察知したのか(単にRDシリーズの開発費が高騰してもうダメだと悟ったのか)WindowsCEベースでMicrosoftと協業しています。WindowsPCと連携する機器を狙うのはそれはそれでアリです。ソニーPS3でがんばって開発環境を整備した上でそれと共通部分の多いプラットフォームを家電にもっていけば、Mac OS Xベースよりももうちょっとパワーの必要な用途向けの機器の市場(そんなものがあるのかどうかわかりませんが)を狙えるんじゃないかと思います。他のメーカーはどうしていくべきなんでしょうかね。