AppleがMacのCPUをIntelからARMに変更しようとしているという噂が何度も出ていて、割と最近になって「そりゃAppleとしてはARMを真面目に検討しないとね…」と僕も思い始めたので理由を書いてみる。
RAM
これが一番でかい理由だと思う。PC向けCPUにDRAMインタフェースが統合されて長らく経つ。今のDDR4の速度に不満を持ったとき次のDDR5はいつ立ち上がるのだろうか。DRAMの新しいインタフェースのPC向けの立ち上がりは遅く、スマートフォン向けが先行する時代となってしまった。
実際、モバイル向けはLPDDR4から高速化したLPDDR4Xがすでに普通に使われており、LPDDR5も開発完了しており今年後半のハイエンド端末からは普通に使われてるのではないかと予測している。一方でDDR5は今年後半に登場するかしないかという状況で、このDDR5をIntel MacでAppleが使えるかどうかは特にここ数年何度も遅延したりドタキャンになっているIntelの新プロセスの立ち上がりに大きく依存しておりリスクがある。
多分Appleは今年後半からiPhoneのメモリをLPDDR5に変更したいと思ってて、そうするとMacもそうなってくれるときっと嬉しい。でも少なくともPC向けのCPUは(DIMMをサポートしないといけないので)LPDDR5には対応しない。だからMacBookをLPDDR5対応の自社CPUにできればDDR4のDRAMチップを調達しなくても良くなる。iMacやMac miniで過去に基板に半田づけされていたRAMが最近のモデルでSO-DIMMスロットに変更になっていることもこの方向性と一致している。
NAND
これもUFSに統一したいというのがきっとあると思うんだけど、こっちはRAMほどは重要じゃないかもしれない。NVMeより消費電力が減るのが嬉しいというくらいだろうかと思う。
CPUアーキ的にも別にIntelにメリットがない
これはまあ、AArch64のほうがx64よりちゃんと設計されてそうな雰囲気はあるんだけど、正直今の僕にはよくわからないんだよな。過去から「80286より68020のほうが綺麗で絶対いい」とか「PowerPCのほうがPentiumより断然美しい」とかさんざん言われていたのを技術力とセンスでぶち破ってきたIntelなので、何かまた挽回できるチャンスが残ってたりするんじゃないかと謎の期待をしてしまう。
iOSのアプリをMacでも使えるようにしたい
よく言われているが、これはあまりプライマリの理由にはならないと思う。
ところで
PS5のDRAMはGDDR6になるのかな? だとするとGDDR5がPC用グラフィックボードに乗ったのが2013年の夏頃、PS4発売が2014年末と考えると、GDDR6のPC用グラフィックボードは2018年秋に出てきたから、今年末にPS5発売のスケジュールと割と整合する。