複数事業部の会社の上層部の人事って難しいよねえ

本社が赤字でピンチなので社長交代で挽回したいと考えて次期社長を選ぶとする。そうするとどこかの事業部のトップとかから選別されるのが普通だと思う。当然そのとき業績がいい事業部から選ばれる。このとき全体としては赤字で倹約ムードになっているところに、業績がいい事業部からやってきた人が次期社長としてトップに来る。次期社長が居た事業部は業績がよかったところなので当然羽振りがいい。その調子で本社に来て采配をすると、それまでの本社の状況からすれば明らかに浮わっついた感じの施策を打ってしまったりする。


さらに不運な場合には、その次期社長が、これまで業績がいい事業部を率いてきた経歴しかなくて、撤退戦をやったことがないという場合がある。その事業部だけを見ればイケイケだったんだと思うけど、他の事業部を見れば撤退を始めないといけない部分もあるはずだし、特に社内の主力事業がそういう不調に陥っているから本社全体がピンチになっているので、かなりでかい撤退戦を強いられるシチュエーションになっている場合がある。しかしトップはこれまで常勝の将軍なのでうまい撤退の仕方を知らないというパターンにはまると無駄に戦線が広がって全体的に泥沼化か進んでしまったりするのではないだろうか。


だからといって不調な事業部のトップを「この局面にぴったりだ」として社長にするのにはそうとうな勇気が必要だろう。しかしDSとWiiで躍進したときの任天堂も、iPod/iPhoneを出したAppleも、好調な事業を率いていたからという理由でトップが選ばれたりはしてなかった。