携帯電話をちょっと大きくしたフォームファクタにATOMを載せてWindows7を動作させるという変態マシンが富士通から発表されていた。
これのポイントはどこにあるのだろう。
どちらかというと技術的に難しそうなのは後者のほうで、もしATOMでSymbianを動かしたならそれは尋常じゃない努力が必要だったのではないかという気がする。そうじゃなくて実はARMとATOMのデュアルチップだったとしても、それはそれで、キーや液晶・スピーカーなどのハードウェアをどうやって双方でうまく使えるようにするかというところで相当な苦労を要するだろう。
一方で前者の意味では従来のUMID M1やViliv N5と比べていまいちインパクトに欠ける気がした。じつはここ10年間で僕の中では5Vで充電できるかどうかというところが結構重要なポイントになっていて、それが普通のノートPCと小型電子機器とを分けていた。リナザウはUSB給電で完全なコンピューティング体験ができるという意味で、M1は5V1AでWindowsがほぼ連続動作できるようになったという意味でジャンルブレーキングな存在だった。
そんなわけで個人的にはF-07CのPC部分はM1と全く同じジャンルのマシンであり、単に小さくなっただけでインパクトが薄いと思ったんだが、解像度を保ったまま大幅にサイズを小さくしたところは凄いような気もする。しかし一方で、どう見てもタッチタイプできないキーボードや600MHzにダウンクロックされたCPUパワーなどいろいろ実用的にムリがありそうな部分がいっぱいあって、そのあたりが購入を躊躇してしまう理由になると思った。
F-07Cとほぼ同じ中身を使って折畳みサイズの超小型PCを別製品として出してくれるならそっちのほうがいいなあとも思うけど、そういうおもちゃが6万円以上してしまうとやっぱり売れないってのが昨今の状況だし難しいかもなあ。F-07Cは、「いや、そろそろ携帯買い替えないとって思って。携帯新しいの買うと6万くらいしちゃうでしょ? それなら1万円プラスでWindows動くなんてお得っぽいんで」なんていうエクスキューズが通用するかもなんだけど、それにしてはちょっと重すぎるところがネックだなあ。180gくらいだったらかなり良かったと思うのだが。