SparkChargeで何ができるのかみんなわかってないだろ

こんな感じで紹介されているベンチャーである。

SparkCharge:車のトランクに入る電気自動車用充電ステーション
電気自動車の欠点として、後続距離が短いということがある(現在最長はテスラモデルSの約680km)。しかし、まだまだ充電ステーションはそこまで広まっていないため、燃料切れという心配を抱えることが多い。その問題に対して、車のトランクに積むことができるポータブル充電器を提供することで解決しようとしている。

 

https://launcheers.com/archives/4471

 

EV車の電池切れの心配をなくすための車のトランクに積めるポータブル充電ステーション、そんなものを常に持ち運ぶくらいなら最初からEV車に積んでおけばいいだけであって、なぜこれが革新的だとか輝かしい未来像に見えるのかが全然わからなかった。

 

充電する装置が携帯できたとして、その充電する電力はどこから取ってくるんだよ、というところが曖昧なのである。調べた範囲ではSparkChargeはリチウムイオン電池のユニットにつなぐことを想定しているという話しか出てこなかった。仮に160km航続距離を伸ばしたいと考えた場合、割と効率のいいEVであっても13kWhの電力が必要であり、それを貯めて置けるリチウムイオン電池は70kgほどの重さになる。ここで下記のような利用シーンが提示されるのだから、普通には理解不能である。

 
砂漠のど真ん中で、EV(電気自動車)の充電が切れる。アプリを開いてしばらく待つと、ドローンが高速充電ユニットを持ってきてくれる。数十分で充電が完了し、また車を走らせる――。

 

自分の車で持ち運ぶのが憚られるような重量物を、ドローンに運ばせることのうれしさとは何なのだろうか。経済的合理性が全くない。これはダメだ。

 

 

あり得るとすればこのリチウムイオン電池のユニットの移動距離がとても短距離な場合である。具体的には例えばいまの高速道路のSA/PAではEV充電可能なスポットは限られている。この携帯型充電ステーションがそれなりに安価に製造できるのであれば、これを貸し出して一般の駐車スペースで充電することが可能になる。充電が完了して返却された電池ユニットは屋内の一ヵ所でまとめて充電すればいい。これはイケる気がする。問題は500kmの航続距離分を充電しようとすると300kgくらいのものを自分の車のある駐車スペースに持っていく必要があるということで、炎天下・極寒・雨の強い日などは大変だしやりたくないよなあというところだ。

(そして16km分を充電するのがわずか1分とのことなので、500km分を充電するには30分かかってしまう)

 

実は内燃機関を搭載して発電して充電するんだ、という本末転倒な解決策を期待したのだがさすがにそれはなかった。