Jelly ProはUnihertzという上海の会社がKickstarter等で出資を募っていた2.45inchのAndroidスマートフォンである。Posh mobile S240BやElephone Qというのが昨年出回っていたがその後継機と考えてよいと思う。
S240と同じく好きなところ
- とにかく小さくてよい
- microSDスロットがある。
- ストラップホールがある。これが何気に個人的には大きい。
S240と較べて良くなったところ。個人的に嬉しい順に。
- RAMが2GBになった。
S240BではRAMが512KBしかなく、ZRAM(RAMが足りなくなったときに圧縮して無理やり動かす仕組み)でなんとか動かしていた感じだったので、音量ボタンを押したときに音量インジケータの表示に5秒かかったりとか、文字入力がもっさりしていてフリック入力が実用的に使えないとかいろいろな問題があった。少し大きいアプリを使うと裏に回ったホームアプリがメモリ不足で殺されていたのでホームを押して戻るまでに時間がかかったりもした。Jelly ProではRAM容量が2GBになっているのでそのへんの普段使いで特別にもっさりすることがなくなり普通に使えるようになった。ボタンを押せていないのかZRAM待ちなのかアプリ再起動待ちなのかを機械の気持ちになって判別するようなスキルが、S240Bでは必要とされていたがJelly Proでは不要なのである。 - イヤホン端子の音質が普通になった。S240Bでは低音が全然なくて音楽プレーヤとして使うの無理じゃね? って感じだったんだけど今回のやつはちょっと聴いた感じではそこそこ使える音質なんじゃないかな? って感じになっている。
- Android7.0なのでそれなりにモダンな感じ。
- CPUがパワーアップした。
Cortex-A7 1.0GHz*2(MT6572M)からCortex-A53 1.1GHz*4(MT6737M?)になったのでそれなりにパワフルになった。特にGPUの速度は4倍くらいになっているはずで快適である。 - マルチタッチ正式対応。
S240Bはピンチは検知できるけど複数の指の座標をトラッキングできているわけではなかった(Xperia X10のような感じだった)んだけど今回はそんなことはない。でもやっぱり指が近いと一本指に認識されちゃうので音ゲーとかは厳しいと思う(そもそも画面サイズが小さすぎて無理なのだが)。 - 地磁気センサが入ったので普通にナビとして使えるような気がする。
- カメラの画素数が5Mピクセルになって(S240Bは2M)そこそこな絵が撮れるようになったかも。
- microUSB(B端子)のコネクタがS240Bでは深すぎてたいていのUSBケーブルが使えなかったが普通の深さになった
一方でもちろん、ここはS240Bのほうがよかったな、悪くなっちゃったかな、みたいな部分もある。まあ問題ないんだけど。
- 分厚く、重くなった。
Kickstarterのページのスペックでは60.4gと書いてあるが実際に届いたものを測ると72g〜73gほどであった。これは結構ショックである。S240Bは公称52gで実測でもスペック通り52〜53gだったのだが。
S240Bの電池は14g、Jelly Proの電池は19gであり、電池の増加分よりも断然重くなっているのは結構残念なところだ。
重くなる要因はいくつかあるが最大の要因は液晶ディスプレイが分厚くなったことではないだろうか。個人的にはS240Bと同じでよかったんだけどなあ。 - SIMカードを抜き差ししづらくなった。
S240Bは動作中にSIMカードを抜き差ししてもそのまま動き続ける(抜くと圏外になり、挿すとちゃんと認識されて通信できるようになる)稀有なマシンだったのだが、Jellyは形状的に電池を抜かないとSIMカードを挿抜できないので、そういうトリッキーな使い方ができなくなった。
S240Bと同じくもうちょっとなんとか…ってところは下記のような感じである。
- 画面が小さいくせにベゼルが大きくて残念な感じだ。
- 解像度が432x240ってのは流石に低いと思う。同じディスプレイサイズであったとしても640x360くらいあってしかるべきだ。
- 裏蓋が硬すぎて開けづらい
- ストラップ通しにくい
電池の持ちとかはまだよくわからないんだけど、一日目の感想としては「公称より大幅に重かったのは残念だな」という感じです。S240Bは「制限されてるけど一応実用できるしすげー小さくて軽くて面白い」みたいな感じだったのが「強烈に小さいけど普通に実用的じゃん。でも重さは普通に近づいちゃったよね…」っていう感じになっており、良いといえば良いんだけど独特の面白さは減ったかなとも思う。