あいかわらず日本の家電メーカは叩かれているが

相変わらず「スペック競争なんてしても意味がなくどのようなターゲットにどんなライフスタイルを提供したいかを中心に考えろ」論者が多くて辟易しているが、そういう人たちは、たとえばP-07CやL-04CとP-02Dを見比べたときにどう思うのだろう。

もしあなた方がスペックを見比べてP-07CやL-04Cはクソだから絶対人には薦めない。P-02Dのほうがマシ、と思うなら上記の論に説得力はないということがわかるだろう。P-07CやL-04Cが売りにしているのは使われ方だけであり、P-02Dが売りにしているのはスペックだけだからだ。


ところで話は変わるが、(昔の話を蒸し返すのはよくないかもしれないが)2008年頃、「どうして廉価なMP4カメラを日本メーカは出さないのか」という日本メーカ/日本の消費者批判エントリが出たことがあって、それに対して反論を書いたことがあった(http://d.hatena.ne.jp/naoya2k/20081115/p1)。そのときに北米でヒットしていたMP4カメラはどうなっているかというと…

 日本では今ひとつブレイクの兆しが見えなかった廉価なMP4カメラ。米国ではFlip Videoがかなり人気を博したが、'09年にCiscoに買収されて以降新しいソリューションが提供できず、結果的に市場から姿を消すことになった。

 一方ソニーならではの機能を入れ込んだ「Bloggie」は着々と進化を続けており、今回のCESでは新しく2モデルが登場した。


http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20120110_503466.html


FlipVideoが何に潰されたかというとBloggieではなくてiPhone4だろう。日本ではケータイカメラに潰されることが当時から明らかになってたので最初から誰も買おうとしなかったしメーカも出さなかったのだが、北米はケータイのカメラが遅れていたために存在できただけだったのだ。

上記記事には「他社のMP4カメラではスポーツモデルが人気で」と書かれているが単純にiPhoneが防水じゃないからそうなっているだけである。


00年代前半に流行った音楽プレーヤはどうなったか覚えているかい? 今大手で残ってるのはAppleSony(とiRiverとCreative)しかないんだよ? 音楽プレーヤなんて1000円や500円で売ってるものもあるから儲からないはずだが、それでもちゃんと新機種を出し続けているんだ。Bloggieもそういう立ち位置になるだろうと思う。粘り強く続けてくれるという信頼感は後々すごい武器になるはずで、いま日本の家電メーカに一番足りないのもこの部分なんだ。


でも一方でソニーCliemyloPSP goで信頼を損ねてきていて、ソニータブレットが売れないのは多分そのせいだから。