新しいAppleTVについて

家族全員で映画を見るという習慣が全くないので、映像配信なんて個人的にはどうでもいいと思っていて、そんなのがAppleに取られたところで悔しくはないけど、今と近未来のAppleTVで「有料で配信されている映像を見る」以外にいろんなことができるようになってきて、リビングのコンピューティングが牛耳られてしまったらちょっとイヤだ。


AppleTVのハードウェアが$99で売られると聞いてまず普通のオッサンが考えそうなことは「AppleTVはハードでは儲けずにコンテンツで儲けるビジネスモデルだ」というようなことだろう。でも実際は違う。新AppleTVのBOMは$50を切ることも可能だと推測され、$99で販売しても余裕で利益が出るハードだということである。


AppleTVのコンテンツがオールレンタルなのには多分わけがある。
売り切りにしてしまうと、ある時から既に売ったコンテンツだけをユーザが視聴しまくるような状態になるかもしれない。そうするとそのタイミングだけを見ればストリーミング配信のために多大なデータセンターを維持しているApple側は赤字になる。レンタルならその心配はないんだ。


ハード的にはiPod touchから入出力とNANDとBluetoothをなくして、HDMI・光出力をつけ、RAMを削減して、筐体や基板をしょぼくして低コスト化したものがAppleTVなのだと思う。A4チップだと言ってるし。

当然ゲームが動かせるくらいの能力はある。720PでOpenGL2.0対応なのでWii以上XBox360未満のパワーである。しかしBluetoothがないのでコントローラが微妙。WiFi経由でiPhoneをコントローラにできるという話だがiPhoneiPod touchを持っていないといけないし微妙か。

しかもローカルストレージがないのでアプリを端末内に保存して遊ぶわけにはいかない。しかし毎回ダウンロードしても平気なゲームだったら可能。適当なキャッシュシステムと組み合わせてAppleTVにアプリをダウンロードさせてリビングで使わせるという展開はないだろうか。


「リビング向けにiPadと同じコードが使える」とか言ってAppStoreでAppleTV用のソフトを公開できるようにしてきたら、史上初の、個人やベンチャーがそこそこ自由に開発できる、リビング向けの本格的なアプリプラットフォームになってしまう。そこでゲーム以外のユーティリティ的アプリを配布/販売できるというのは何か新しい可能性があるような気がする。いや、WiiWareは当然それも考えてたはずで、でもいまいちうまくいっていないような気がするのは、やっぱりそんなところには需要はないのかもしれないけど。