元請の労働生産性が高いというニュースについて

はてブで話題になってる「「下請けの労働生産性は元請けの6割」,IPAが情報処理産業経営実態調査報告書を公開 | 日経 xTECH(クロステック)」。

だいたいの意見はこんな感じだろう。

  • 元請のほうが下請より沢山給料が出るのはおかしい


まあそりゃそうかもしれん。
でも理想的には「元請は下請より優秀な奴がなるべきだ」という感じであるし、そうなって元請がちゃんと優秀で正しく仕事をした場合には、やっぱりこの調査結果は今と似たような結果になると思うんだ。だから本当にこの結果だけを見たら文句は出ないはず。よく話に聞く「下請に丸投げしてるだけの元請」を想像してしまうから不満が出る。


で、個人的な経験では上で書いたような「元請は何もわかっていなくて下請に丸投げ」というパターンもときどき見かけるけど、「下請は素人丸出しなので単純作業しかできず、元請のエキスパートが個別に技術指導とか(下請の個人毎の)スケジュールとか・アクションアイテムの管理とかをやってようやくプロジェクトが成り立ってる*1」的なのもあり、どっちも理想像からはかけ離れてるけどどっちも酷い話。だけど元請→下請→孫請になるにしたがって優秀さが減っていく理想的なパターンが一番多かった*2
要するにいろんなケースをいっぱい平均するとなんだか理想的な数字に近くなっているような気がするんだけど、特定のパターンだけがクローズアップされて沢山文句が書かれているのがどうにも気になる。まあそういう丸投げパターンが多いということでしょうかね。

*1:これは偽装請負にあたるので今ではできなくなってしまった。今では「あーこのままでは連中デスマーチになるな」と思っても有効な手が打てずに傍観するしかなくなってしまっている。結果的に下請の技術者からは元請が悪いと見られてるようだけど実際には下請のマネージャがなにもしてないパターン。

*2:この理想的なパターンによく巡り合えているのは、僕がきっと恵まれた環境に居るんだと思うが、そういう理想的な環境であっても、下請の技術者で元請と直接話していない人が不満を漏らしているのをよく聞く。これは下請側のマネージャがいろんな失敗とそのフォロー作業が発生することについて、技術者たちに「元請の担当者のせいでこうなってしまった」と伝えるからだったりする