Apple Vision Proには期待している

Appleが5日に発表したVision ProというARゴーグル、価格に落胆したという声をたくさん見かけた。$3499ということは日本上陸するときに運がわるいと65万円とかになっている可能性がある。でも僕はかなり期待している。


Vision Proがいいなと思ったのは、「Vision Proをつけていないときと同じだと思うくらいの風景が見える」というところだ。実際にはカメラから取りこまれた画像が目の前のディスプレイに表示されているのに。これをつけたまましばらく日常生活ができるようになったとしたらどうだろうか。目が不自由でもこれまで通り生活できるようになったりするんじゃないか。白内障の手術をして眼内レンズを入れた人がいちばん困っていたのは焦点が合わないことと眩しすぎることのようだった。Vision Proを被って生活できればどちらも解消するじゃないか。

 

 

聴覚について考えると、僕が物心ついたときから補聴器というものはあったがわりと大きくて目立つ外見をしていて、自分も歳を取るとあんなのを付けないといけなくなるのかなあと気になったりしていた。最近見た補聴器は小さくて充電式でぱっと見では装着していることに気付かないくらいになっていて技術の進歩はすごいなと感心したが、話を聴くと数十万円するシロモノだということだった。しかしよく考えてみるとそのような補聴器に必要な技術は全てAirPods Proに既に完全に搭載されていて、ソフトウェアの調整さえすればAirPodsは補聴器を完全に置き換えることができるのだ。AirPods Proなら若い人もつけているので目立つこともないし、大量生産されているのでリーズナブルな価格で購入することができて日常生活を送れると思う。

 

 

これがAppleが補聴器を作ります、だったら全然イケてないし、そもそも補聴器というだけのデバイスに10億トランジスタLSIを入れることなんて不可能だ。でもAirPods Proだとそんな途方もない性能の半導体をそこにつっこむことができて、そしてそれを補聴器的な用途にも使うことができるんだ。僕はそれと同じことが視覚にも起きてくれることを期待している。なんかよくわからないプロ用のAR用途とか、若い金持ちのホームシアター用途としてなぜかすごい性能を持ったコンピュータ内蔵のHMDが売れ、それが視覚にちょっと障害がある人とってとても役に立つデバイスになるのだとすれば、それはとても素敵なことだし、そんな未来を応援しないわけにはいかないのだ。