僕たちはモンティ・ホール問題を知っていて、プレーヤーはドアを変更すべきだということも理解している。
プレーヤーの前に閉じた3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。
ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。
ここでプレーヤーはドアを変更すべきだろうか?
ここでのポイントはモンティはプレーヤーが選んだドアを知って、その上で残りの2つから外れのドアを選んで開けたというところだと僕は理解している。どのドアでも確率は1/3であるが、そのうち自分が選んだものを除く残りの2つのうちから外れがどちらかをモンティが教えてくれているのである。
だから下記のやつはちょっと違うんじゃないかなと思ってしまう。
https://cruel.hatenablog.com/entry/2022/10/30/214634
山形がこのゲームをやって、Aのドアを選びました。司会者ルは、Cのドアを開けて、そこに賞品がないことを教えてくれました。
すると頭のいいみなさんはぼくに対して「それは乗り換えたほうがいいよ、Bのドアを選びなさい」とアドバイスをくれる。オッケー。それはわかりました。
では。もう一人、このゲームに参加していたとしよう。それがこのハギーワギーくんだとする。
ハギーワギーくんは最初、Bのドアを選んでいた。もちろん、場合によっては司会者がBのドアを「ハズレでした」と開けてしまう場合もある。でもそうでない場合は? 司会者がCを開けて、自分のが当たりかもしれないと思ってワクワク。さらにぼくの話だと自分の選んでいたドアのほうが確率が高いと言われて大喜びだ。が……あなたは、このハギーワギーくんには何と助言するだろうか?
理屈はまったく同じだ。あなたは当然、ハギーワギーくんにも選択を変えろと助言する。つまり、BのドアよりもAのドアのほうが確率が高いぞ、と言うわけだ。それは……ぼくが最初に選んでいたやつだ。
司会者ルが知っているのは山形さんがAを選んだということであって、だからBとCからハズレのドアがどちらかを選んでそれを開けている。ハギーワギーくんがCのドアを選んでいようが司会者がCのドアを開ける場合はあるが、山形さんがCを選んだ場合にはそれはない。司会者ルはあくまでBとCのドアのどちらにハズレがあるかを選んでいるのであって、山形さんがAのドアを開けて、ハギーワギーくんがCを選んで、たまたま司会者がBのドアを開けたからといって、ハギーワギーくんからみたときに司会者がAとBの中からハズレを選んだわけではないのだ。
だから司会者がBとCのうちどちらかについてハズレ100%という情報を与えてくれたなら、その反対側を選ぶのが正しい。司会者がCのドアを開けたならハギーワギーくんはBのドアを選んだままにしておくべきだ。司会者にもし(自分が選んでいた)Bのドアを開られてしまった場合には、当然ハギーワギーくんはドアを選び直すだろうが、そのときAとCが当確率で当たりなのではなくCの当たり確率が2/3になっているのだ。