iPhoneについて思うこと

最初はどうせたいしたことないんだろうとか思っていた。
が、Jobsの基調講演の様子をengadget japaneseで見て、こいつは本気なんだと思わざるを得なかった。


OS Xの上にSafariが載っているというのは凄いことだと思うが、肝心のOS Xの詳細がいまいち不明だ。しかしながら適当に推測すると(あんまり情報を集めていないので全然外れている可能性が高いが)Cocoaが完全にサポートされてObjective-Cで書いたコードが動くようなARMプロセッサ向けの実行環境がある、というようなものではないだろうか。下がDarwinでなくても、適当なOSであってもCocoaがサポートされてクロスコンパイルできればCocoaアプリは多少の修正で動くようになるんじゃないかと思うのだ。


そういう意味ではこれができたのはCocoaのレイヤーがしっかりしていたからであり、かつXCodeというそれなりに良く出来た開発環境と、そして載せるべきアプリのベースとなるものを自前で全部用意できるだけのリソースをAppleが持っていたというのがかなり効いていると思う。iPhoneが汎用OSを使って携帯電話というデバイスを作れたからといってLinuxで同じようにできるかといえばそんなことは決してないと思う。


AppleSafariiTunesとMailを載せるためのプラットフォームを作るのと、どっかのLinuxベンダがFirefoxThunderBirdとX11Ampを載せるためのプラットフォームを作るのとでは全然難易度が違うんじゃないかと。


あるいはOS Xが載っているんならOS Xのアプリを作るのと同じくらい簡単にiPhone用のアプリも作れるのではないかという期待も、まあ今の腐りきった携帯電話の開発環境よりはマシだろうがそんなに簡単ではないんじゃないかと思う。WindowsMobileのアプリくらいには簡単になるかもしれないが。

しかし携帯電話のアプリに求められる要件というのは普通のPC向けのアプリでは考えられないくらいしょうもないけど実際に実装するとなると複雑でわけがわからないというものが多々あり、特に日本の携帯電話の場合は文字入力のUIがあまりにもダイナミックな表示を要求しすぎるとかで大変なのでちゃんとしたアプリを作るためにはやっぱりそれなりの大変さがあるのではないかと思った。


個人的にはこれまでタッチパネルで携帯の10キーよりも速く日本語入力できるI/Fに出会ったことがないので、携帯電話としてのiPhoneの評価は、日本語版が出てちゃんとメールが打てるかどうかを見てからでないと判断できないと思った。もしちゃんと日本語のメールが打てるiPhoneが作れるなら凄いことだ。