「内部留保を削って社員に還元せよ」って言う人は今のソニーについてどう思っているのか

企業は莫大な内部留保を持っている。それらを切り崩せばリストラは防げる、みたいな言い分が2011年あたりに流行していました。共産党は今でもそういうことを主張している気がします。



ところで2012年や2013年のソニーはリストラのかわりに不動産とか手持ちの資産を売っぱらって赤字を補填した。経済誌に載った「資産売却が本業?」などという批判的な記事はかなりの数に上っていた感じがします。
例えばこんな記事です。

NY本社ビルから株式まで大放出
ソニーは今や資産売却が「本業」

エレクトロニクス事業の不振が続く中、2012年度は5期ぶりの最終黒字の達成を見込むソニー。営業損益、最終損益共に巨額赤字を計上した11年度からの“V字回復”のようにも見えるが、内実は資産売却による利益のかさ上げがほとんどだ。本業が苦しい状況は変わっていない。
http://diamond.jp/articles/-/35006


しかし不動産や会社が持っている株はまさに内部留保であり、従業員の給与を下げるかわりにそれらを売却したということを考えると、共産党的にはソニーは超優等生なのではないかという気が最近してきました。


だから共産党は自分たちの言い分が正しいと思っているなら、ソニーの資産売却っぷりを褒めまくるべきであり、そのソニーのやり方を貶してリストラしまくったパナソニックを褒めているような経済誌の記事についてはちゃんと批判すべきです。具体的にはこんな記事は共産党的には噴飯物のはずなんです。

なぜ、両社の業績は、これほど明暗が分かれたのか。その理由の一つとして、両社社長の経営手腕の差が指摘されている。パナソニック社長の津賀一宏氏は、就任直後から聖域とされた本社機能に大胆にメスを入れ、B2B(企業間取引)への事業戦略の転換、事業部制の復活、プラズマテレビからの撤退など、次々と改革の矢を放ってきた。業績回復の背景には、車載と住宅事業の健闘がある。
 ソニー社長の平井一夫氏は、スマートフォンタブレットなどのモバイル、カメラやイメージセンサーなどのイメージング、ゲームの3事業を中核事業と位置付けた。しかし、3事業とも競争が激しく、結果を出すのは容易ではない。米国本社ビル、旧ソニーシティ大崎など、次々と資産売却を繰り返してきた。結果、13年3月期決算では5年ぶりに黒字化を果たした。しかし、それは所詮売り食いに過ぎない。

http://biz-journal.jp/2014/05/post_4975.html

こういった記事を「間違ってる!そのソニーの行動こそが正義なんだ!」って批判できないのは、そりゃー内部留保を削って社員を養うなんて考え方自体が間違ってるからなんじゃないかと思うわけですが。