キーボードの進化は確かに止まっている

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 「なんで英語って100年近く進化してないの? いつまでも26文字の出現頻度に差がありすぎるし発音とスペルが直感的に対応してないし無駄に単語の文字数が多いせいで3文字略語がはびこるし思考停止しすぎじゃないか?」

というコメントを書いたのだが、日本語に関して言えば80年代にいろいろ出てきたキー配列とキーボードたちは面白かった。

 

親指シフトが出てきて、M式キーボードが提案されて

M式キーボード http://www.ykanda.jp/input/m/m.htm

そして新JIS配列が出てきて、

新JIS配列 - Wikipedia

とにかくローマ字入力よりも良い日本語入力環境をつくっていこうという機運に満ちていた。しかしこの新JISすら普及しないまま消滅してしまった。

 

 

1990年はキー配列ではなくキースイッチの構造で改良がつづいた時代だった。メンブレンがわりと使い物になるようになったのはこの頃だし、パンタグラフも静電容量もこの頃に出てきたんじゃないか。でもメンブレンというかラバードームはファミコンの丸ボタンで完成されたのかもしれない。どうなんだろう。そういう意味では21世紀に入ってからの進化はガラケー向けにメタルドームスイッチがめちゃくちゃ進化したのとタッチパネル以外は残念な感じ。フリック入力(=handSKK)も予測変換も2002年頃には出てるしな…

SL-A300 HandSKK

 

Appleがタッチバーで進化させようとしたじゃないか」みたいな話があるがあれを評価するなら沖電気のif800のファンクションキーも同じくらい評価されるべき。if800ではブラウン管の下側ベゼルにファンクションキーと等価な機能になるスイッチが10個配置されていて、当時のアプリケーションは通常、ファンクションキーの機能を画面下端に並べて表示していたので、機能が表示されたすぐ下のボタンを押すことでその機能が実行できるというものだった。

if800 model 30-Computer Museum

これは麻雀ゲーム機の捨牌ボタンと比べてどうだったのだろうかとか考えてしまう。

操作方法においても「ジャンピューター」は大きな成功を収めている。ゲーム中、それぞれの牌にはA〜Nまでのボタンが振り分けられていると共に、コントロールパネルにはリーチ、ロン等、麻雀を打つ上で必要な操作が全19個のボタンで全て振り分けられている。これはそれまでのレバーとボタンを中心としたビデオゲームの基本操作方法の概念を塗り替えた、まったく新しいアイデアである。

ジャンピューター - Wikipedia

レバーで対象を選ぶUIよりも、全部ボタンを用意するそっちが新しかったの? 本当かよ? じゃあ漢字を直接入力できるWD-3000みたいなのがもしかして斬新だったりするんすかね? ゲーム機の入力デバイスやUIとビジネス向けのUIを並べて歴史を論考している人は少ないような気がする。