専門家が夏に開催するって決めてみんな賛成したのに、アスリート以外の誰がオリンピックに向いていないって反論できるんです?

バッハ会長は「東京オリンピックの実現には犠牲が必要だ」と言っていた。そのSacrificeというワードに一番あてはまるのは日本国民だが、そこにはアスリートも含まれていたということだ。こんな伏線が用意されていたとは気づかなかったぜ。

 

english.kyodonews.net

 

news.yahoo.co.jp

 

記事は日本が開催地に立候補した際に「この時期の東京は穏やかで晴れた日が多く、アスリートが最高の力を発揮する上で理想的な天候である」と主張していたことを指摘。「穏やか? 理想的? 7月のこの東京が?」と強烈に皮肉った上で、「日本はそれが嘘だと知っていた。東京に住んでいる人間なら、真夏の気候が『穏やか』でも『理想的』でもないことは誰でも知っている」 

 

僕は神奈川に住んでいて、僕個人としては東京の真夏の気候が「穏やか」でも「理想的」でもないと思っている。でも僕はこれまで、僕のことを知らないやつがそいつの狭い了見で僕に関する何かを決めつけてくることにめちゃくちゃムカついていたので、自分が専門家じゃない部分について、専門家がほぼ一致して言っているようなことは、疑いつつも一度は素直に信じてみるべきだと思っている。この「理想的な天候だ」という言葉を綴ったJOCはバカどもだったのかもしれないが、でもIOCの偉い人がそれを評価するときにはちゃんと完璧にファクトチェックをしたに決まっているのだ。だから、僕は「この7月の気候でオリンピックなんてありえないって思うんだけど、それは僕がアスリートじゃないからで、きっとアスリートには、これが理想的な天候なんだろうなー」と無邪気に信じることにした。

 

たとえば大人にとってハチミツはなにやら健康的な食べ物だけど、赤ん坊に与えてはいけない危険な食べ物だし、関西人の半数にとっては最高にマズい納豆という食べ物は関東の民にはおいしい食べ物だし、一部の人にとってはまずくて食べれたものじゃないというカップ麺を僕の子供はめちゃくちゃ好んで食べている。それと同じで、世の中のアスリートという人種にとってはこの気温32℃で湿度80%という環境でも理想的なのかもしれないじゃないか。世界トップクラスのひとたちを自分たちの尺度で捉えるなんておこがましいじゃん。

 

そして2018年の夏は記録的な暑さだった。

2018年の猛暑 (日本) - Wikipedia

もうリオのオリンピックも終わり次は東京なんだからIOCの偉い人達も東京の夏の気候に注目しているはず。このタイミングで猛暑が来て、2018年7月23日には東京都心で最高気温39℃が記録された。これを理由にスケジュールを10月にずらすことは十分に可能だったと思うが、IOCJOCは夏の開催の計画をあきらめなかったしアスリートたちも特に大きな反対をすることはなかった。だからもうとにかくやってみろよとしか言いようがないし、「お前らは自分たちが痛い目を見ないとわかんないんだから最後まで死ぬ気でやれよ」と言いたい気分がめちゃくちゃあるんだけどでも真面目な人が死ぬ気でやったら死んでしまうのでそれはダメだ。

 

 

「僕らに我慢させて開催したんだろ。だからあんたらが数日暑いのを我慢するのなんて、そりゃ当然だろう…」って、みんなが思っちゃうような状態になってしまっているじゃないか。これがもしアスリートの大半が「俺たちにはこの暑さこそが最適な気候何だぜ!!」ではなくて、「いや、俺もこの暑さはダメだと思ってたんだけど、言い出せる空気じゃなかったんだ」みたいな感じなんだったら、それはまるっきり敗戦間近の大日本帝国のような雰囲気だ。こういうのが平和の祭典っていうんだからすごいよな。なぜそれを言えなかったのか、どうして正しい判断が下されなかったのかについてはちゃんと調査して公表してほしいよな。多額の税金を使ってるんだから。