「動画を2倍速で見る」のルーツはスト2

そんなわけないだろ > タイトル。でもスト2でボタンを押している時だけ倍速でデモが流れるのを見て、ちょっと斬新だと思ったのは確か。

 

 

ストリートファイター2の稼働開始日は1991年2月14日、そして三洋電機から2倍速時短ビデオが最初に発売されたのは1991年の秋ごろ。スト2より前になにかあったかというと、PCゲームであればウエイトを設定できるゲームはたくさんあった。ザナドゥの98版はCtrl+Wで速度を変更できたと思うし、ロマンシアはF1キーかなにかで速度を9か10段階に調節できたし、イースはCAPSを押している間だけ高速に動いた。ボタンを押すとデモが飛ばせるゲームもたくさんあったと思う。でもスト2はなんだか、それとは違う、ちゃんとデモの時間を割とギリギリまでケチっているはずのアーケードゲームで、ボタンを押すとデモを飛ばすのではなく倍速になるというところが、なんかよかった。しかもエンディングのスタッフロールもすごい勢いで流れる。ゆっくり余韻を感じたい人は等速で見ればいいし、もうどうでもいいって人は倍速で見ればいい。

 

しかし、スト2のボーナスカウントとか、ステージ間の飛行機が移動する画面とかは、「等速はクリエイター側が完璧に調整したテンポのはず」とはとても思えないくらいノロマである。こんなのが最適な速度とは全く思えない。何度も同じようなシーンを見たときにダレないようにとか、ゲームへの慣れ度合いによって最適な速度が違ってくるので選べるようにだとかそういう理由もある。でもだったら映像作品であっても同じことが言えるんじゃないのか。

もちろん等倍で見てほしい映画はいっぱいある。でも、どんな映像作品も等倍で見るべきなんてのは、スト2のタイムボーナスカウント画面とかをボタンを押して倍速にせず、等倍で見続けた人だけができる主張だと思う。僕にはできない。