オーバードライバーというX68000のゲームについて書いておきたい

Youtubeにオーバードライバーの動画が上がっておりBGMについてコメントがついていた。
https://www.youtube.com/watch?v=NBK9h2ghS2w

Ironchef69 5 年前 Wow! For a doujin game, the music is incredible. Any credits on the game?

andy7666 5 年前 Yeah, nice tunes!

RaulBillieJean 5 年前 great music


オーバードライバーは1993年に開発されたシューティングゲームでログインソフトウェアコンテストで金賞を取ってムックにも収録されたので名前を知っている人は多いと思うが、評価されているという話は見たことがなかった。


自機は小さい戦闘機で、十字ボタンにより8方向に移動、Bボタンでショット、Aボタンで2つのオプション(正式名称は知らない)を進行方向に射出できる。オプションを射出すると自機とオプション間のラインに沿って飛んでいく波紋で攻撃できる。オプションは地形や敵に当たるとそれらにくっつく。これを利用して、例えば前方上下の地形に2つのオプションを設置して前方からの敵をガードするとか、固い敵にオプションをくっつけてその敵の行先を波紋で攻撃するといったようなことが可能になる。


問題は、このオプションをうまく使って攻略するためのステージについて、正直なところ、説明されないとわからないだろうな、ということなのだ。


たとえば2面ボス。この面は画面中央に水面があり水中と空中に分断されているのだが、水面下に居るボスは高圧電流を流しており水面より下に居ると感電して死んでしまうのだ。こんなの説明なしでわかるものなのだろうか? で、ボスが出したり引っ込めたりしている子機にオプションをくっつけ、その子機がボス近くに行ったときに波紋を連打して倒すのがおそらく意図された攻略方法。
5面は雷の面で、帯電している雲が出て来るが、地面にオプションをくっつけた状態で、もういっこのオプションをこの雲にぶつけることで雲に溜まった電荷がオプションを結んでいるワイヤーを流れて解放され雲を消すことができる。
他にも6面の中ボスは8個の子機のうち2機だけが弾を吐く敵で、そいつと他の6機は見分けがつかないのだが、出現時にオプションをくっつけておくとマーキングできてその後も見分けることができるようになるとか、そういう感じだ。


こんなの、軽く遊んだだけだと「意味わかんない」で捨てられる要素でしかない。個人的にはとにかく6面が格好いいので遊んでみて欲しいのだが、5面までこのゲームをやってないと遊べるような難易度ではないし、そもそもいきなり6面やってみてわかるというようなタイプの良さでもないのだ。
(6面は重力が可視化されたメッシュがステージを通して表示されている。重力を操る衛星をほっておくとメッシュの密度が高まり、その衛星を倒すとメッシュが元に戻るのだがこのときの表現がすごく上手にできている他、ボスもホーミングレーザーがレイフォースダライアス外伝はまだ世に出ていなかったタイミングでほぼ完成形に近いかたちのものが表現されており素晴らしいのだが、それだけならプレイ動画を見るだけでよい)


さらに悪いことに、このゲームの真骨頂は2周目である。本当に作者がやりたかったステージ構成やギミックは2周目であり、1周目は「いきなりこの面やらされても詰め込みすぎてるし難しすぎるし意味不明だよな」という判断のもとにいろんな要素が削られた結果のステージであることが、2周目をなんとかクリアできるようになってくるとわかってくるのだ(もういろいろ忘れてしまったので具体的に1周目と2周目でどの部分がどうとかは言えないんだが)。このゲームが仲間内で話題になっていたのは95年くらいまでだったのだが、僕がこのゲームの2周目を真面目に遊びはじめたのは96年から97年くらいにかけてであり、そのころにはこの2周目について語れる相手が誰も居なくなっていたような気がする。なので一人で淡々とこのゲームの良さを味わっていたのだと思う*1


こういう自分ひとりだけはめちゃくちゃ良いと思ってるけども良さを伝えるのが難しいので抱え込んでしまっている、みたいなやつ。他の人にもあるんだろうなあ。

*1:2005年くらいに思い出して遊んでみようとしたときにはX68000のHDDが壊れて遊べなくなってしまっておりとても残念な気分だった