ベネズエラでやってた、政府が量販店に家電を安く売れと強制したやつの話

ベネズエラで過去に食料価格を政府が統制して国民が安く食料を購入できるようにして大失敗した(ベネズエラで安く買って外国に横流しすることが横行したし、そもそも安くしか売れないので誰も食料を作らなくなって食料入手困難になった)というのは知っていたが、家電についても同じようなことをやっていたとは知らなかった。

 

Dakazo - Wikipedia

 

Dakazo refers to a set of actions taken by the Venezuelan government forcing consumer electronic retail stores, with Daka being the most prominent, to sell products at much lower prices on 8 November 2013, weeks before municipal elections.[1] The forced Daka price changes helped Venezuela's ruling party, PSUV, win in some of the municipal elections,[2] though the massive sale of goods caused further shortages in the months following the initiative.[1]

市議会選挙の数週間前の 2013年11月8日に、ベネズエラ政府は家電小売店(最大手はダカ)にめちゃくちゃ低い価格で製品を販売することを強制した。強制的な安売りは、ベネズエラの与党PSUVがいくつかの地方選挙で勝利するのに役立ったが、後の数ヶ月で商品の大量販売がさらなる不足を引き起こした

 

政府が補助金を出すわけでもなく損を押し付けて強制的に安売りをさせたのだったら、いったいどのような理由でそれが正当化されるのかまったくわからない。しかし補助金を出してものを安売りさせるのもやっぱり市場原理には反しており相当慎重に制度設計をする必要がある。少なくとも選挙で勝つためにやるのは論外としか思えん。

一過性の物事をやりすごすためにこういうことをする場合、それが成功することもあるかもしれない。でも長期的に続く値段の高騰はこのようなやりかたでは対処できないと思う。日本の1リッターあたり40円のガソリン補助金もやめるタイミングが失われてしまっているので長期化するとヤバいと思う。

オブジェクト指向がイケてないとか本質は何なのかとかの云々

そもそも1980年代から1990年代にかけてオブジェクト指向がやたら持ち上げられたのはどういう世の中の動きがあったからかを理解していないとダメで、当時はMacWindowsが出てきてGUIが急に流行り出したところで、マウス操作のGUIのプログラムを書くのちょー難しいってことが課題になりオブジェクト指向を使うことによりそれをめちゃくちゃいい感じに解決できるということが判明し、もうGUIを作るためにはオブジェクト指向プログラミングをやらざるを得なくなってしまったんだ。

 

だからまあいまのようにあまりにもDOMが当たり前になってもうオブジェクト指向とかを全く意識しないままそれらをみんなが使うようになってしまったときに、オブジェクト指向なんてダメだとか古いとか言われてもじゃあDOM使うのやめるのかというとそうではないだろうから、GUIにおいてオブジェクトという概念は今後も主流でありつづけるだろうし、そういう意味では全部をオブジェクト指向が有用かダメかみたいなのは分野によるんじゃねとしか言いようがない。

 

 

話は変わってじゃあオブジェクト指向の本質はなんなのかという話になるのだけど、GUIツールキットについて考えたときにはC++JavaではなくC言語を使ったGUIツールキットはどうなんだあれはオブジェクト指向じゃないんじゃないのかというのが疑問に浮かぶ。そんでその代表格であるGTKのサンプルコードはこんな感じで、これはオブジェクト指向なのかそうじゃないのかというと、いやこれはオブジェクト指向なんじゃね?と個人的には思ってしまう。

 

GTKプログラミング - Wikibooks

#include <gtk/gtk.h>
int main (int argc, char *argv[])
{
   gtk_init(&argc, &argv); // GTKの初期化

   /* ウィンドウ、GtkFixedなど各種ウィジェットを作成 */
   GtkWidget *window = gtk_window_new(GTK_WINDOW_TOPLEVEL);
   GtkWidget *fixed = gtk_fixed_new();   
   GtkWidget *label = gtk_label_new("Hello, world!");

   /* GtkFixedをウィンドウにパック */
   gtk_container_add(GTK_CONTAINER(window), fixed);

   /* GtkFixed内の(10,20)にラベルを配置 */
   gtk_fixed_put(GTK_FIXED(fixed), label, 10, 20);

   /*  表示することを設定 _all であることに注意 */
   gtk_widget_show_all(window); 

   /*  メインループ */
   gtk_main();
   return 0;
}

 

そしてここには継承も多態もメッセージパッシングもなく(もちろんこの裏のGTK内部にはそれらが用いられているのだとは思うが)、オブジェクトとそれに応じた関数群があって、関数を呼び出すためには引数に対象になるオブジェクトを指定しなければいけないというルールがあるだけである。

 

 

だからまあ僕はオブジェクト指向の本質が継承だとか多態だとかそういうのはどうでもいいなーって感じです。多態は便利だし継承は便利なときもあるけどダメなときもある。

Logicool K380

K380はロジクール(グローバルではLogitec)が販売している見た目がチープで財布に優しいBluetoothキーボードである。かねてから気になっていたのだが最近近所のブックオフに行ってみたら美品の白いK380に安い値段がついていたので購入してしまった。

 

K380は2015年発売のようで、当初はlogicoolロゴだったが2018年にlogiロゴに変更されている( ロジクール、一部製品のパッケージを変更、ロゴもブランドロゴ「Logi」に - BCN+R )。僕が購入したものはlogiロゴなので比較的新しいもののはずだ…と思って調べたらそもそもオフホワイトの色が追加されたのが2020年1月なのであまり経年劣化が感じられない(変色などがない)のはわりと当然なのかもしれないのだった。

 

良いところ

  • キーピッチが18mmで小さくキー全体も小さい
    横幅が280mmを切っているのは素晴らしいことだ。
  • デザインがかわいくて良い
    キートップが丸いのはイヤな人はイヤだと思う。
  • マルチペアリングが便利
    僕は残念なことにこれまでマルチペアリングのBTキーボードを1つも持っていなかった。複数のスマホとPCがこれ1台で済むなら何て便利なのだろうかと思わざるを得ない。
  • タイプ音がとても静か
    本当に特筆すべき点がこれだと思う。

微妙なところ

  • チープな割に重い
    なんだか見た目と比べてずっしりと重い。
  • 「使ってて嬉しい」と思うようなキータッチではない
    決して悪いキータッチではないが、期待してはいけない。見た目通り、と言う気もする。
  • Logicool Optionsというユーティリティでキーボードの設定を変更できるのだけど、この設定はキーボード側には記憶されない - つまりこのキーボードを使うあらゆるPCにこのユーティリティをインストールする必要がある。
    UbuntuでのファンクションキーについてはUbuntu側の設定で対応できるっぽい

 

 

上にも書いた通り、買ってみて初めてわかったことだがこのキーボード最大の特長はキーを押したときに発生する音が異常に小さく抑えられていることだった。キーを押したときの音がとても静かなので、指がキーに触れたときに鳴る「チャッ」っていう音や、指がキートップ上を滑る「シャッ」っていう音のほうが気になってきてしまうくらいだ。

 

キータッチは普通のパンタグラフタイプで、少し固めである。こんな見た目のキーなのに、押したはずなのに押せていない、などが発生する頻度は非常に低く、使っててイライラしないレベルには到達しておりさすがロジクールだと思ってしまう。Raspberry Pi 400のキーボードがこれだったらどれだけ良かったことだろうか…

 

とはいえ円形キートップの欠点はある。キーとキーの間に大きなスキマがあるように見えて、一番近いところではキートップの山型部分同士のスキマは2.5mmくらいしかない。これが最近一般的なチクレットキーボードなら3mm、レッツノートSZ/SVあたりのキーボードでは4mmあるところが、K380はスキマが小さいために指がスキマを認識しづらいと感じる。また、円形キートップのためにその下のパンタグラフの大きさが円に内接する四角形より少し小さめとなっており通常のキーボードよりも小さくなってしまっている。これがキーのぐらつきを増やす方向に働いている気がする。

 

Ubuntuで使うときのTipsは下記のURLたちが見つかった。グローバルに販売台数の多い機械は問題への対処法も見つかりやすくていいと思った。一方でこのキーボードを分解修理したぜとか、改造したりしたぜ、みたいなのはほとんど見かけないので、どうもこのキーボードは分解や改造をしづらいのかなと言う気がする。

ロジクールキーボードK380でファンクションキーを単発動作 - 芽萌丸

keyboard - Pairing LOGITECH K380 in Ubuntu 20.04 - Unix & Linux Stack Exchange

Cannot pair Logitech K380 bluetooth keyboard on Pi4 with 20.04 - #4 by banshee1971 - Raspberry Pi - Ubuntu MATE Community

 

富士通のPC用のキーボードKU-1815(CP740118-01)が良さそう

秋葉原を通過することがあり少し時間があったので電気街を巡ってみたらアウトレットで大量に山積みになっていたのでひとつ買ってみた。これが良かった。

 

GENOが通販もやっておりネットだと下記で買える。

【未使用アウトレット】 FUJITSU USB接続 日本語キーボード 軽量コンパクトタイプ [KU-1815] | マウス・キーボード、その他入力機器 | | 通販ショップGENO

 

良いところ

  • 安い(999円とか1200円とかそのへんの値段)
  • キーが省略されたりしていないし、一部のキーが極端に小さかったりしない(ただし矢印キーを除く)
  • 小さい(特に横幅) 260mm×128mm×8mm、そして軽い
  • キータッチが重すぎたり、押したのに入力されてなかったりというようなことがない
  • USB接続なのでブート直後の操作にも使える

微妙なところ

  • 矢印キーが押しづらい。左右キーが標準サイズなので矢印キー全体が逆T字型になっていない。だから指が矢印キーを探しにくい
  • USBケーブルが無駄に長すぎると思うことがある(110cmある)
  • キーボード上部にちょっと余計なスペースがある。

 

 

何が良いかというとキーピッチが17mmで、Enterキーが無駄に大きくないのでキーボード全体の左右の幅が小さいことだ。260mmである。このクラスのキーボードは配列が変だったり、キータッチがめちゃくちゃ酷いものが多いが、これは配列はめちゃくちゃ普通で、キータッチも数々のノートPCキーボードを輩出してきた富士通なので全く問題なく良い。普通のコンパクトキーボードは290mmくらいあるし、いまヨドバシなどでまともな配列やデザインのキーボードの中で最も幅が小さいものを探すとロジクールのK380になってしまう。K380の横幅は279mmなので、KU-1815がそれより小さいことは非常に魅力的なポイントになると思う。

 

たった2cmや3cmと言うかもしれないが本格的にタイピングするのでなければ指を動かす距離が小さいのはむしろ楽だし小さい台に小さいPCを置いて使っている身としてはキーボードはまともに使える範囲であれば小さければ小さい方がよい。(キーが重くて指が痛くなるにもかかわらずSKB-BT11BKを未だに捨てることができていないのはその小ささ(横幅225mm)のせいである。)

 

あとは軽いところも魅力だ。つまりこれはRaspberry Piのようなマシンのキーボードに最適だ。そういう用途のときには長いUSBケーブルがちょっと邪魔。メルカリを見るとこのUSBケーブルをとっぱらって着脱式に改造したものを作って売っている人が居た(キーボード背面にUSBジャックを付けていた)。これは賢いと思う。もう1個買ってやってみようかなと思うレベルで。

日本のガソリン価格が(国際的に見ると)激安な件について

日本の「いやいや今の日本のガソリン価格安すぎだろ補助金なんて出すなよ」と思ったので調べたりしていた。

 

Price Rankings by Country of Gasoline (1 liter) (Transportation)

のサイトによれば1Lあたりのガソリン価格は下記のようになっていた。

  • Mexico ... 1.12$
  • Japan ... 1.22$
  • China ... 1.23$
  • United States ... 1.27$
  • Philippines ... 1.31$
  • India ... 1.32$
  • South Korea ... 1.34$
  • Australia ... 1.43$
  • Spain ... 1.67$
  • United Kingdom ... 1.88$
  • France ... 2.04$
  • Germany ... 2.24$

日本のほうがUSよりもガソリンが安い… このようなことは自分が生まれてから一度もこれまでなかったと思う。割と歴史の転換点にいるような気がする。

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CHUWI minibook Xを買おうかどうか悩んでいる

2014年くらいからATOMを搭載しためちゃくちゃ安いWindows8 tabletを中国のメーカーが作り始めた。そこで目立っていたのがCHUWIi, TECLASTの2社だった。過去の自分の記事を検索すると下記のように2016年にHI8 PROというタブレットを買おうかどうか悩んでいたようだ。

CHUWI HI8 PROの購入に踏み切れない - naoya2kの日記

もうあれから6年も経ったのかと思うと愕然とするが、CHUWIもTECLASTもまだ元気にWindowsのモバイルマシンを出し続けてくれているようだ。日本から見るとCHUWIはN系のCeleronを使ったWindows機をメインにしていて、TECLASTはMediaTekあたりの安いチップを使ったAndroidタブレットを主軸に据えているように思える。なお当時個人的に好きだったCubeは少し高性能なほうにシフトしてCore i系を搭載したタブレットやミニPCをいっぱい出している。

 

で、そのCHUWIが昨年後半にminibook Xという10.8インチのノートPCを発売した。これはHuaweiのmatebookというタブレットで使われていたディスプレイを調達してきて作られたもので、そういう部品のチョイスや品質なども含めて良さそうだったが当時なぜか買うのに躊躇してしまった。最近になって1万円ほど値段が下がってきたので買っても良いかなという気がした。なによりこのクラスのPCは買えるときに買っておかないといつジャンルとして消滅してしまうかわからないのだ。なにより魅力なのはこのサイズ感が。レッツノートRZや初代YOGA BOOKよりも少し小さくて、かなりちゃんとした配列のキーボードが搭載されている。そして画面はそれらよりも大きく狭額縁。その代わり890g〜950gくらいとレッツノートRZよりも100〜200g近く重くて、YOGA BOOKと比べると分厚く、電池がきっと持たない。

 

minibook Xの電池容量は26.6Whとのことだが、レッツノートRZの電池は7.6V*4740mHAhだから約36Whだ。これはやはりレッツノートのほうが質実剛健というかデザインよりも軽さや性能を優先していることもあるし、レッツノートRZの場合は上位にSZという850gのマシンがあり、もしRZがこのminibook Xのように890gになってしまったら、
「ええっ? RZってCPUもしょぼく画面も筐体も小さいのにSZより重たいの?」
みたいなことになってしまい存在価値が消滅してしまうというプレッシャーに晒されていたからだと思う。

 

そんでminibook Xの不安点というのはもう端的に言うとファンレスで発熱大丈夫なのか?ということに尽きる。なんといっても僕はこの2年間継続的に放熱がうまくできない場合のCPUの速度低下に悩まされ続けてきたのだ。それでもそこそこ軽くて小さければ唯一無二の存在として重宝するだろうという気はするのだがすでに手元にはGPD microPCがあるのだ。もし発熱で長時間のタスクではmicroPCと同じくらいの性能しか出ない、となったら、重さが2倍あることがネックになりおそらく持ち歩くのはmicroPCとなってしまう(とはいえmicroPCのキーボードで文章入力するのは割とつらいのだが)。そしてもう少し大きくて重くてよければもっといろいろな選択肢がある。

Alder Lake-Nがそろそろ出てきそうだというのも躊躇する理由になっている。minibook XのCPUであるCeleron N5100のTremontコアと比べてAlder Lake-NのGracemontコアは分岐予測が強化されており、L1キャッシュが32KB→64KBに増量され、リオーダーバッファもTremontの208から256にパワーアップして、同一クロックで20%高速化されているとのことだ。結局のところ新しいものが出てくるのを待つか今買うかは、今使うのかどうかというところにかかっているんだけど…って考えるとあんまり使う時間もないし要らないかも。

キャンドゥの550円のイヤホンがわりとすぐに壊れた件

4月に買ってちょっとお気に入りになっていたキャンドゥの550円のイヤホンHDBT36BKだが電池があんまり持たないという欠点がすぐ明らかになった。

まあビデオ会議とかに使ってるとすぐ電池切れになるね。これはどのヘッドセットもそうなんだけどマイクとイヤホン両方動くから普通のA2DPだけの時よりも断然すぐに電池が無くなっちゃう。ビデオ会議はだらだら続くので、通勤時間に音楽を聴くには十分な電池持ちであってもテレワーク需要には全然足りないという。

そして充電が安定していない感じになってしまった。microUSBを挿しても充電されたりされなかったりするようになった。充電が必要で電池持ちが悪い機械になにより重要なのは、電池の充放電に関しての安定性である。使っていないときにも電力が使われていて使いたいときには電池が常にない状態であるとか、充電したつもりがされてないとか、そういうことがないかどうかが大事なのだが、こいつはいつうまく充電できるのかよくわからんという感じだった。ケーブルを選ぶのかもしれんなと思い充電できるケーブルで毎回決まった充電器に挿して充電するようにしていた。

 

 

そうこうするうちにその比較的安定して充電できていたケーブルと充電器の組み合わせでも充電できなくなってしまった。分解してみてもよくわからんがUSBケーブルをつないだ状態でUSBコネクタのあたりをぎゅうぎゅう押してみると充電ランプが点いたり消えたりするので接触不良感がある。これでは使い物にならんから捨てるかとも思ったが試しにダメ元でUSBコネクタのハンダを盛りなおしてみたら充電できるようになった。

 

 

やったぜ復活した。と思って2日間使ってたらまた充電できなくなってしまった。コネクタ部に力がかかるとハンダがすぐに剥がれてしまうのだろうか。コネクタ部にストレスがかかっても大丈夫なようにプラリペアなどを盛ったりすればいいのだろうか? でもそれでうまくいくとも限らない。ケーブルを選ぶところをみるとコネクタ内部もなにかおかしいような気がしないこともない。550円のイヤホンをそこまで頑張って復活させる意味もないのでもう捨てるべきだという気がした。

 

 

ちなみにHDBT35BKのマニュアルには

イヤホンの電圧が3.3V以下の場合30秒ごとに「Please charge」と音声が流れ、3.0V以下の場合「Power off」と音声が流れます。

という奇妙に細かい記載があってちょっと面白いと思った。音声が流れるだけで電源断にはならないのか? みたいなところとかも。